9月5日、東京千代田区の経団連会館にて、「ジャパンコンテンツ総合会議」が開催された。日本経済団体連合会が主催、映像産業振興機構(VIPO)が共催し、経済界の立場からコンテンツを活用した日本経済の活性化を打ち出す場となった。
当日は菅義偉・内閣官房長官が挨拶に姿を見せたほか、経済産業省商務情報政策局長の安藤久佳氏が「クールジャパン政策の今後の展開」と題して、国のクールジャパン政策を紹介した。さらにJLOPやクールジャパン機構、コ・フェスタ2016(Japan国際コンテンツフェスティバル)、放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)の施策が説明された。
会議の終りには、「官民連携によるジャパンブランドのさらなる向上にむけて」とタイトルした声明が決議された。国と経済が連携してコンテンツ産業の活性化と積極的に推進することを表明したものだ。決議文では、「コンテンツと製品・サービスの相乗効果」、「コンテンツの戦略的な海外展開」、「政府支援の活用」、「新たなビジネスモデルの創出」などが挙げられた。
コンテンツ産業が認知されたのは比較的歴史が浅いため、これまで経済界からこうしたかたちで押し出されることは少なかった。コンテンツ、クリエイティブ産業の強化を打ち出す国にとっても、力強いバックアップになりそうだ。
各事業説明では、コンテンツ関係会社からも利用の多い、コンテンツのローカライズ、プロモーションによる海外市場開拓のJLOP事業にて、平成28年度補正予算の60億円計上を目指していることも説明された。VIPOにJLOPはこれまでに総額約282億円が投じられ、採択事業数は5600件になるという。全体の企業の40%が初めての海外展開であった。
映像コンテンツのローカライズでは、これまでに世界18言語、11万5702時間にも及ぶ。その波及効果はかなり大きくなるだろう。
訪日外国人が急増する中で、コンテンツが海外からの誘因となるケースも多い。先頃のリオ・オリンピックでは日本のキャラクターを紹介した2020年の東京オリンピックが好評博した。そうしたなかで、コンテツ産業への注目は、今後も高まりそうだ。