アフリカ向け新作SFヒーローマンガ 白泉社が作画担当者を募集

星野ルネ

 デジタルマンガの本格的なアフリカ進出で業界を驚かせた白泉社が、さらにこの分野で打ってでる。白泉社はアフリカの読者をメインターゲットにした新作マンガの企画・開発に乗り出した。
 両親がそれぞれカメルーンと日本というマンガ家・星野ルネが描く『READ(仮)』の展開を目指す。作品はアフリカ向けのSFヒーローマンガで。行方不明になった父を探す少年の物語になる。舞台は神が人類をあらゆる災厄から守る時代で、特殊能力を持った少年が主人公になる。

 この連載に向けて白泉社は、本作の作画者の募集も開始した。募集はコンテスト形式で、白泉社が運営するマンガ投稿サイト「マンガラボ!」に掲載されているネーム原案を元にメインキャラクター2人の全身カットとカラーマンガを8ページ描くというものだ。大賞に選ばれると賞金10万円と副賞のほか、白泉社のマンガアプリ「マンガPark」と海外版アプリ「Manga Park W」での連載が約束される。
 デビューがいきなり海外からとなる。募集締め切りは2019年10月15日、11月下旬に結果を発表する。応募資格はプロアマを問わず、すでにデビュー経験があっても構わない。

「マンガPark」は2017年にリリースした白泉社のマンガアプリだ。「花とゆめ」「LaLa」「ヤングアニマル」など同社の主力マンガ誌の作品が読めるほか、独自の無料で読める作品も多数用意する。アプリの屋内ダウンロード数500万、掲載数500作品を越える。
 「Manga Park W」は、その海外版としてスタートした。しかし展開地域のターゲットは欧米や東アジアといった従来の日本マンガの人気地域でなく、アフリカである。ファンが多いけれど競争相手の多い地域でなく、未開拓の市場に目をつける。2019年1月に第1弾として、ケニアとナイジェリアの2ヶ国で配信を開始している。両国の人口は合わせて約2億3000万人にもなる。スタートから半年あまりでアプリのダウンロード数は20万を超えるなど一定の成果を見せている。今後も地域を拡大予定だが、その切札としてより現地に親しまれる作品、アフリカ向けのSFヒーローマンガを投入するというわけだ。

 このほかにも「マンガラボ!」では、「マンガPark」で展開する少年向けオリジナルマンガ作品のコンテストも実施している。4ページから40ページのバトル、冒険ファンタジー、SF、部活、スポーツ、異世界転生などが対象だ。
 こちらもグランプリを獲ると「マンガPark」公式特集に掲載されるほか、英語翻訳したうえで「Manga Park W」にも掲載される。世界展開の加速と共に、それに合わせたマンガの需要は今後も増えそうだ。

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