フィルムセンター、日本のクラシック・アニメーションのウェブ公開継続決定

映画ビジネスのニュース

 1917年から41年にかけて国内で制作されたアニメーション映画を、ウェブサイトを通じて公開する「日本アニメーション映画クラシックス」が、2018年以降も運営を継続することが決定した。
 サイトは2017年が日本のアニメーション誕生から100年目にあたるのを記念してオープンしたものだ。東京国立近代美術館フィルムセンターが、文化庁の「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」の一環として、運営している。
 現存する最古の国産アニメーション映画『なまくら刀』をはじめとする64作品を全編無料で視聴できる。当初は2017年末までの試験的な運営としてきた。視聴価値の大きさから評価が高く、公開継続を望む声も多かったことから、継続を決めたという。

 現在公開されている64作品のうち49作品は、2018年1月1日以降も引き続き視聴が出来る。しかし、残り15作品については調整中としている。こちらは年明け以降の映像の鑑賞は出来なくなる。作品解説は、これまでどおり利用できる。

 日本のアニメーションは、大正年間1917年から制作されており、長い歴史を持つ。しかし、残された資料は決して多くない。
 フィルムセンターは、日本の映画文化、そして映画フィルムの保存・調査研究を目的に活動しており、日本の初期アニメーションもその分野だ。サイトの運営はその成果を広く開示するもので、大藤信郎の手書き台本や、造形作品や切り紙キャラクターなどの制作資料と共に公開している。また、その研究成果は国内外の研究者に活用されている。

日本アニメーション映画クラシックス Japanese Animated Film Classics
http://animation.filmarchives.jp

関連記事

アーカイブ

カテゴリー

ピックアップ記事

  1. 第2回新潟国際アニメーション映画祭
     今年3月に初開催されて話題を呼んだ新潟国際アニメーション映画祭が、2024年3月に第2回を迎える。…
  2. 「アニメーションの表現」
     2023年10月23日から11月1日まで開催されている第36回東京国際映画祭は、昨年より上映本数、…
  3. 『いきものさん』© 和田淳・ニューディアー/東映アニメーション
     日本を代表するアニメーション作家として、いま“和田淳”を筆頭に挙げる人は多いだろう。2010年に『…
ページ上部へ戻る