DLEは東映、東映アニメーション音楽出版と共同出資で設立したオリジナルアニメ企画開発会社コヨーテの株式売却を明らかにした。コヨーテは2017年8月に日本と中国を含むアジア市場を視野にいれた新たなアニメコンテンツを創出する戦略会社として設立された。資本金が2億1000万円、東映が34%、東映アニメーション音楽出版とDLEが各33%を出資していた。
DLEはこの自社保有株の全て693株(33%)を、それぞれ東映に357株、東映アニメーションに336株を譲渡する。両社との協業を解消する。譲渡金額は4400万円で、DLEは2019年6月期第3四半期に特別損失2400万円を計上する。
DLEは3社での協議の結果、合弁解消が望ましいと判断したと説明する。経営環境の変化などに応じて、今後はそれぞれが独自の成長戦略を推進する。
DLEは2001年に設立、Flashアニメ『秘密結社 鷹の爪』のヒットで急成長した。その後、TOKYO GIRLS COLLECTIONの買収などで事業の多角化を進めた。2014年には東京証券取引所マザーズ、2016年には同一部市場に上場している。しかし、近年は粉飾決算が明らかになり、赤字決算に転落するなど厳しい経営が続いている。コヨーテは2018年3月期に最終損益が3600万円の損失となっていた。赤字事業を切り離すことで、より身軽な経営を目指すとみられる。
コヨーテは老舗の映画会社とアニメ会社、それに新興企業が力を合わせることで、オリジナルコンテンツで海外を狙うという野心的なものであった。DLEは自社のノウハウを活かして、そうした企画のパイロットやトレーラーを短期間で制作するとしていた。
株式売却後は、東映が株式の過半数を握ることになる。経営はより東映主体になる。しかし、パートナーの一角が抜けたことで戦略の大幅な変更が迫られそうだ。