アニメ「リラックマとカオルさん」 2019年春にNetflixで世界同時配信

Netflix

 映像配信プラットフォームのNetflixと日本のキャラクター会社サンエックスは、アニメシリーズ『リラックマとカオルさん』を2019年春から世界同時配信すると明らかにした。サンエックスの人気キャラクターであるリラックマを主人公に、全13話のストップモーション(コマ撮り)アニメーションにする。
 アニメーション制作は、『ドーモくん』や『こまねこ』など、ぬいぐるみを使用したコマ撮り作品で定評のあるドワーフが担当する。監督はTYO(ドワーフ)に所属する小林雅仁が務める。小林は武蔵野美術大学卒、数々のCMや海外版『ドーモくん』の「DOMO!WORLD」を手がけている。脚本は映画『かもめ食堂』や『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子。強力スタッフが揃った。
 発表によれば、この秋に制作を開始した。およそ1年半をかけて、2019年の春にファンの前に姿を見せることになる。

 昨今、アニメの配信視聴とその認知度の高まりと共に、その大手企業であるNetflixに関心が集まっている。『リラックマとカオルさん』は、Netflixのオリジナルアニメの主力タイトルとして2017年8月に製作発表された。日本だけでなく、海外でも人気の高いキャラクターのアニメ化である。
 発表が相次ぐNetflixのオリジナルアニメ企画だが、『リラックマとカオルさん』は異色の存在だ。日本アニメと言えばヤングアダルト向けのアクション、アドベンチャー、SF・ファンタジーが中心になりがちな中で、これまで唯一つのキッズファミリー作品となっている。セルスタイル、CGアニメが主流のなかで制作がコマ撮りアニメーションであるのも、このスタイルが子どもたちに幅広く受け入れられるからだ。配信オリジナルのジャンルの広がりを感じさせる。
 さらにビジネスの枠組みも独特である。Netflixオリジナルを掲げながらも現在の配信作品のほとんどが製作委員会での製作で、テレビ放送と並行配信、日本先行配信することが多い。しかし『リラックマとカオルさん』では、キャラクター会社のサンエックスと組むことで世界同時配信を実現する。Netflixが本国で目指すビジネスのかたちに近い。

 そのNetflixは10月17日発表した決算に合わせて、2018年の番組への投下予算を70億ドル~80億ドルからと明らかにしている。日本を含むアニメに対する投資もこの巨額の予算の中に含まれる。
 1話で億単位の予算がかかる米国の実写ドラマに比べて、アニメは予算がより少ないなかでユーザーの集客効果が高いとみられる。今後もしばらくは、様々なジャンルでNetflixのアニメに関する関心が続きそうだ。

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