テレビ東京がモバイルアプリを通じて、ヨーロッパでのアニメビジネス拡大を目指す。その足掛かりとして、2023年8月にフランスのモバイルアプリ・ゲーム開発会社YONKO.SASに出資をした。出資金額は20万30ユーロ(約3000万円)で、出資比率は0.8%となる。出資を通じて、同社とのビジネス連携を進める狙いがあるとみられる。
テレビ東京はYONKOと協力して、まず日本のアニメ作品を活用したアプリを開発する。2024年にはテレビ東京が海外で販売権利を持つアニメのモバイルアプリ内デジタルコレクションカードを販売し、さらにアプリと連動したファンイベンも開催する予定だ。
YONKOは2021年11月に、フランス・パリに設立されたばかりのベンチャー企業だ。CEOのサミー・テラン氏、CTOのオギュスタン・ガヨ氏ら、先端テクノロジーに知識が深く、これまでにも企業とバイアウトの経験が深いメンバー4名が共同設立した。
創業者メンバーのいずれもが日本アニメの熱狂的なファンであり、アニメビジネスにも造詣が深い。そこで今回のテレビ東京とのつながりが生まれた。ヨーロッパでも人気の高いアニメ作品のデジタルでの新展開を目指す。
テレビ東京は、国内主要放送局のひとつ。特にアニメや配信などの新分野で強さを発揮している。今後も海外を中心に、アニメ事業の拡大を狙っている。
今回のYONKOへの出資割合は、0.8%と必ずしも高くない。しかしこれまで中国や北米に重点を向けてきたテレビ東京の海外アニメビジネスの新たな方向性を感じさせる。東南アジア、そしてヨーロッパと、テレビ東京の広がる海外アニメビジネスが注目される。