文化庁メディア芸術祭が終了、文化庁が来年度予算要求に盛り込まず

文化庁 メディア芸術祭 20周年企画展―変える力

 1997年から25年にわたり実施されてきた「文化庁メディア芸術祭」が、今年度を持って終了することが明らかになった。文化庁メディア芸術祭は、アニメーションやマンガ、ゲーム、メディアアートなどの優秀作品の顕彰とそれら作品の国内外へ普及事業から構成されている。
 これまでであれば夏にはスタートしていた作品公募が行われず先行きが懸念されるなか、8月24日に文化庁メディア芸術祭公式サイトが令和4年度(2022年度)の作品募集を実施しないことを告知。その後に発表された文化庁の概算要求にメディア芸術祭関連の予算が盛り込まれていないことが分かった。概算要求は各省庁の来年度予算の概要を政府に示すもので、全てが実現するものではないが要求に盛り込まれない事業の予算化は一般にない。

 文化庁メディア芸術祭は、それまで国の文化政策の対象になることがなかったメディアアート、アニメーション、マンガ、ゲーム、ウェブコンテンツなどの振興の中核事業との位置付けでスタートした。メディア芸術は文化庁の独自の概念だが、その関連分野の普及と振興に大きな役割を果たしてきた。
 事業の中心は「メディアアート」「エンターテインメント」「アニメーション」「マンガ」の4部門で公募される作品の顕彰だ。また毎年受賞作品展を開催している。さらに国内で地方展、海外でも展示・上映などを実施してきた。
 これらの事業を合わせて2022年度は3億9200万円の予算が計上されている。一方の来年度概算要求ではメディア芸術祭関連事業は計上されておらず、来年度も新たな公募はしないことから2024年度の実施もないことになる。

 メディア芸術分野自体の予算は10億5900万円から11億1900万円の増額を目指す。マンガ、アニメーション、メディアアート等の若⼿クリエイター創作支援プログラム拡充やアニメーション⼈材育成事業の継続が盛り込まれている。
 新たにスタートする国立美術館「国立アートリサーチセンター (仮称)」事業が目玉だ。メディア芸術の国際発信事業の一部、メディア芸術の情報拠点・データベースの整備が引き継がれる。
 さらに新規事業として「⽇本⽂化のグローバル展開に資する「新たな価値」の発信」が掲げられた。“日本文化のグローバル展開推進のためにメディアアートやポップカルチャー(ファッションやマンガ、アニメ、ゲーム等)を中⼼に、⻄洋美術史とは異なる⽂脈から「新たな価値」を形成し、世界に向けて発信していくための国際的なアートフェスティバルの開催等”としている。従来のメディア芸術にファッションが加わるかたちとなっている。
 メディア芸術祭に代わる新しいイベントが意図されているようだ。こちらは準備事業として5000万円が計上されている。本格始動は2024年度以降になりそうだ。

 メディア芸術祭第25回受賞作品展については9月16日より26日まで11日間の予定で、日本科学未来館他で開催される。これが現在のかたちでの最後の作品展になりそうだ。

文化庁メディア芸術祭
https://j-mediaarts.jp/

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