福島県須賀川市が整備を進めてきた特撮文化の総合施設「須賀川特撮アーカイブセンター」が、2020年11月3日に開館することになった。8月24日に須賀川市記者会見が実施され、橋本克也市長が明らかにした。
「特撮アーカイブセンター」は、特撮文化の調査研究と収集・保存を目的とする。特殊撮影技術や作品関連の資料等を収集・保存・修復、さらに調査研究も実施するとしている。特撮に特化した本格的な保存・研究施設は日本初になる。特撮文化の振興発展に大きな役割を果たすことになりそうだ。
須賀川市は「特撮の神様」とも呼ばれる円谷英二の故郷として知られる。これを縁として地域振興にあたり、「特撮文化拠点都市構築」を掲げている。市内には「円谷英二ミュージアム」が設置され、これまでも特撮関連のシンポジウム、トークなどもたびたび開催している。
「特撮アーカイブセンター」は、こうしたプロジェクトの要となる。JR須賀川駅から5キロほどにある岩瀬農村環境改善センターを総事業費2億9000万円かけて改修し、目的に合わせた施設を充実させる。
施設運営にあたっては、須賀川市は2018年に福島県、特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)、学校法人国際総合学園FSGカレッジリーグ国際アート&デザイン大学校、須賀川商工会議所と特撮文化推進事業実行委員会を組成している。各団体と協力することで施設・研究の充実と知名度の向上を目指す。
庵野秀明氏を中心に設立されたATACは、特撮・アニメ文化の研究・保存を目的にしている。「特撮アーカイブセンター」では、開館準備やミニチュアなどの収集、保存、修復、調査研究で協力する。
知名度向上に向けては、7月7日を「特撮の日」として一般社団法人日本記念日協会に申請登録するといった活動もしている。
さらに8月25日からは、「特撮アーカイブセンターシルエット怪獣ネーミング募集」を開始した。応募対象は市内の小学校、中学校、高等学校の生徒や市内在住者・勤務者である。まず地元から理解をしてもらうというわけだ。
特撮文化推進事業実行委員会
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11025a/tokusatsu2018.html