福島県須賀川市に、特撮文化発信の拠点が誕生することになりそうだ。須賀川市は次年度予算案に「特撮アーカイブセンター」の整備費を盛り込んだ。建築・設備工事費・開館準備支援業務委託など約2億8900万円を計上している。
地元メディアの報道などによれば、市内の岩瀬農村環境改善センターを改修して活用、一般公開を目指す。4月に着工するが、展示内容はNPO法人アニメ特撮アーカイブ機構などと今後協議する。公開時期は未定とされている。
須賀川市は福島県中央部に位置し、郡山市に隣接する。観光資源はこれまであまり多くなかった。近年は円谷プロダクション創業者で“特撮の神様”とも称される円谷英二の出身地であることをアピールしたカルチャーでの地域振興に力をいれている。
2019年1月11日には、市内の交流センター「tette」内に「円谷英二ミュージアム」も開設したばかり。円谷英二の業績や特撮の魅力を紹介する。
2月2日、3日は「特撮文化デー」とタイトルして、『ゴジラ』上映会や樋口真嗣氏のトークショーも実施した。また2月27日から3月17日までは、文化庁メディア芸術祭須賀川展「創造のライン,生のライン」も開催する。
さらに2018年10月には、特撮文化の継承と価値創出を目的とした特撮文化推進事業実行委員会が設立されている。福島県、須賀川市の地元自治体のほか、特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構、学校法人国際総合学園Fsgカレッジリーグ国際アート&デザイン大学校、賀川商工会議所が参加する。
こうした組織や特撮アーカイブセンターを中心に、特撮の映像や資料の保存、情報発信を目指すことになりそうだ。
特撮文化推進事業実行委員会
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/11025a/tokusatsu2018.html