東京国際映画祭に連動して開催される3つのコンテンツ国際見本市TIFFCOM/TIAF、TIMMを統括するJapan Content Showcaseの2019年の総来場者数が発表された。池袋サンシャインシティを会場にしたTIFFCOM/TIAFと、渋谷エクセルホテル東急を会場にしたTIMMの延べでの総来場者数は1万6217名となった。
一方で参加団体数は27か国・地域から405団体。バイヤー数は948名だった。参加団体数は中国からの積極的な出展に支えられ過去最高の記録となった。また海外バイヤーも中国の104名が一番多く、次に韓国の97名、台湾の91名が続く。東アジアの3ヵ国で全体の3割を占める。
出展面積の拡大で華やかさをアピールしたJapan Content Showcase 2019だが、来場者数の面では不調だった。前年比で8%減、1400人以上の減少となった。総来場者数の減少は2年連続で、過去最高であった2017年からわずか2年で17%も減少している。バイヤー数も同様で、2017年の1549名から38%の減少だ。
Japan Content Showcaseは日本のコンテンツ産業の海外展開支援を掲げて、クールジャパン戦略の一角を担う機能を持っている。その急激な縮小は、日本のコンテンツ産業の競争力に対する疑念も起こしかねない。2020年以降に向けた対策が、今後必要になるだろう。
Japan Content Showcaseの不調は、各イベントの連携の弱さも理由とみられる。映画やテレビ番組、アニメーションなどを扱うTIFFCOM/TIAFの開催日は10月22日から24日までの3日間で、10月28日より始まった東京国際映画祭、音楽見本市のTIMMより一週間早い。海外からのTIFFCOM/TIAFの来場者は映画祭ともTIMMとも合わせて訪れるにはスケジュール的に厳しい。
このため本来は映画祭とセットであるべき見本市の機能が充分発揮できていない。当初は映像と音楽のビジネス関係者が相互に行き来きするのを目玉にしていたTIFFCOMとTIMMは分断されたかたちだ。TIFFCOMの会場が、映像ビジネスの関係者と馴染みの薄い池袋であることも決してよい選択ではない。
現時点で2020年の映画祭、各見本市のスケジュールや会場は発表されていない。しかし国際見本市のような大型イベントは1年以上前からスケジュールと会場を決めていることが大半だ。
それでも2019年の結果を受けての対策は必要だろう。現在のありかたの見直しは不可欠に思える。国際見本市もまたグローバル規模で競争をしている、そうした意識を関係者は持つ必要があるのでないだろうか。