「若おかみは小学生!」米国配給決定 GKlDSが権利獲得で2019年に期待

劇場版『若おかみは小学生!』

 2018年9月に国内公開した劇場アニメ『若おかみは小学生!』が、米国展開することが明らかになった。2018年12月10日、米国の映画配給会社GKlDSは公式Twitterにて、『若おかみは小学生!』の配給権を獲得したことを告知した。
 英語タイトルは『Okko’s Inn!』、高坂希太郎監督をスタジオジブリ出身のベテランとし、映画のビジュアルと制作会社のマッドハウスの名前とともに伝えている。詳細は未発表だが、2019年配給となりそうだ。また過去にGKIDSが配給したアニメ映画と同様に、劇場公開も期待される。

 『若おかみは小学生!』は、令丈ヒロ子の人気児童文学が原作。事故で両親をなくした小学生の女の子おっこが旅館を経営する祖母に引き取られ、不思議な幽霊たちにも応援され成長していく。
 監督は『茄子 アンダルシアの夏』の高坂希太郎、脚本は吉田玲子。映画と並行して異なるスタッフでテレビアニメシリーズも制作されている。
 映画は国内公開直後は興行が振るわなかったが、ネットなどで高い評価をする声が相次ぎ、大きな話題を呼んだ。傑作との呼び声も高い。

 海外では6月にフランス・アヌシー国際アニメーション映画祭でコンペティション作品となり、ワールドプレミア上映となった。フランスでは日本アニメ映画に強いユーロズーム(Eurozoom)配給で公開されている。
 一方米国配給権を獲得したGKIDSは、良質なこども映画、アニメーション映画でよく知られている。近年は日本アニメに注力しており、2018年は『未来のミライ』、『夜明告げるルーのうた』、『夜は短し歩けよ乙女』、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、『メアリと魔女の花』などを配給している。
 2019年もスタジオポノックのオムニバス映画『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』の北米配給権も獲得している。『若おかみは小学生!』も含め、2018年に続き日本アニメに注力していく構えだ。
 またGKIDSは米国の各アワードの作品を送りこむことでも定評がある。2018年は『未来のミライ』がゴールデングローブ賞、アニー賞にノミネートされている。

 本作の海外販売はGAGAが手がけている。邦画では経験豊富なGAGAの本格的なアニメ映画参入として注目も集めてきた。英語圏への本格展開で、今後の海外での評価も気になるところだ。

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