世界最大規模のアニメーション国際見本市MIFAが、6月14日に閉幕した。アヌシー国際アニメーション映画祭と同時開催されるMIFAは、世界の映画・番組見本市のなかでも近年際立って高い成長を続けている。2019年もこのトレンドを引き継ぎ、過去最高の動員を記録した。
2019年6月11日から14日までの4日間の登録参加者数は、世界82ヵ国から4134名。2018年比で9%増となる。うち433名はバイヤー、配給会社、投資家で、出資案件を見つけるためにMIFAが積極的に活用されていることがわかる。また参加企業数も前年比8.4%増の1881社に上った。
MIFAの急成長は、イベントの積極的な拡大策が後押ししている。2019年の会場はカンファレンスやセミナー、記者会見が開催されるインペリアルホテルと、企業ブースが設けられる隣接する仮設テントになる。
このうち期間中に実施されるカンファレンスやセミナーは前年比14%増の120、ヨーロッパを代表する企業だけでなく、ディズニー、ドリームワークス、ソニー・ピクチャーズ、ワーナー・メディア、Netflixなど米国勢が積極的だった。仮設テントの面積も大幅に拡大した。
国際見本市の名前に相応しく、グローバル化もMIFA拡大の大きな理由だ。2019年はアフリカやラテンアメリカ、香港といった国の企画ピッチセッション、中国の作品紹介セッションなど欧米以外の地域が活発であった。
存在感を発揮したのが日本だ。2019年は20年ぶりに日本がゲスト国に招聘されたこともあり、日本からのMIFA登録者は前年の2倍、およそ150名に達した。参加企業も35社から50社に増加した。
展示場の入り口には巨大な日本エリアが設けられ、東京都のスタジオの企画紹介や企業のブースが並んだ。なかでも日本の若い世代を紹介した「New Motion」はビジネス目的のシンプルなブースが多い会場で、展示会形式で作品を紹介し異彩を放っていた。26人の若手クリエイターと作品紹介、アニメーション作家・和田敦特集、AR三兄弟と新海誠のコレボレーションVR作品などの多くの人が訪れて人気だった。
映画祭でも、クラシック作品からアート作品、トーク、最新作など日本関連のプログラムは満員が相次ぎ大盛況だった。幅広い日本のアニメーションを求めるヨーロッパのニーズに応えた。