ミーティングや問合わせも多数、アヌシーで東京都が5作品アピール 課題はビジネスの継続

「TOKYO FOUCUS」

 東京都がフランス・アヌシーの国際見本市MIFAにアニメ企画を紹介するようになり今年で3年目になる。世界最大のアニメーション映画祭の併催マーケットで、東京のアニメ制作事業者の企画を売り込み、ビジネスチャンスの拡大目指す。
 継続な取り組みもあり、アヌシーでの「TOKYO FOUCUS」の知名度と成果は着実に広がっている。また昨年、一昨年紹介された事業者が再びアヌシーに訪れて、ビジネスを展開する様子も見られた。

 2018年も見本市会場に独自ブースを設け作品紹介と商談の場とし、また海外ビジネス関係者に向けたプレゼンテーションをするピッチも実施した。
 2016年、2017年が4作品だったのに対して、今年は5作品の紹介となった。合同会社ゼリコ・フィルム『アラーニェの虫籠』、合同会社Tomovies『水の大地‐Water Ground‐』、Twi-flo合同会社『クラユカバ』、株式会社ヌールエ『のら猫クロッチ』、Volca株式会社『ボーカルボルカちゃん』である。

 作品数はひとつ違いだが、印象はかなり違った。作品の広がりと多様性がより強調されたからである。題材ひとつとっても、チョイ悪なネコが主人公の『のら猫クロッチ』は絵本を題材にキャラクター中心。『ボーカルボルカちゃん』はキッズ向けの音楽教育番組、一方で『アラーニェの虫籠』はホラー、『水の大地』は深夜アニメテイストのSF、『クラユカバ』は大正ロマン調のファンタジックな世界観が売りだ。
 制作方法も手描きから、2DスタイルCG、3DCG、ハイブリットと多彩。さらに『アラーニェの虫籠』は長編映画ですでにほとんど完成済みに対し、シリーズ番組やミニシリーズといったフォーマットもある。

 世界中から様々アニメーションが集めるアヌシーだが、見本市では意外にバリエーションが少ない。3DCGキャラクターもの、フラッシュ制作のショートシリーズなどパターン化されたものが多く、造形やストーリーも似かよっている。
 もともと日本アニメは特徴のあるスタイルで独自性を発揮しているが、「TOKYO FOUCUS」では、典型的な「アニメスタイル」を超えてさらに様々なタイプのアニメが揃う。
 一方で、制作技術では日本が必ずしも孤立していないことも伝わる。Volcaの得意とするゲームエンジンを使ったCG制作は、新しい制作ツールとして世界的にも注目されている。Twi-floがVRなどでのコンテンツ活用を打ち出すのも、2018年のアヌシーのトレンドと一致する。

 日本をイメージする桜色で統一された東京都のブースは、会場のなかで一際目立っていた。加えて同時に通路側に個別タイトルをアピールし、すぐ裏でミーティングが出来る効率的なデザインは声をかけやすい。
 出展者に話を聞くと、見本市でのミーティング案件や問い合わせはかなり多いという。一方で提案のかたちは様々で整理するのが大変との声も聞かれた。どれが実際に今後のビジネスにつながるのか判断が大きなポイントである。
 今年度から東京都は、見本市出展後のフォーローアップも実施する。都内の事業者が世界に打って出る入口としてのMIFAの活用をさらに推進する。

東京都「MIFA アヌシー 国際展示会出展」「アニメーション海外進出」支援事業
https://anime-tokyo.com/

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