「ドラゴンボール超」米国5日間興収が23億円、ジブリ作品全てを超える

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 2019年1月16日に米国公開した『ドラゴンボール超 ブロリー』が、大ヒットのスタートを切り注目を集めている。
 公開初日が水曜日だったこともありデイリーチャートで全米1位を獲得、続く木曜日も1位だった。週末も勢いは衰えることなく、金曜日には4位、土曜・日曜が3位。週末興行ランキングで全米3位につけた。

 20日までの累計興行収入は2100万ドル、日本円で23億円を超える。公開5日間だけで米国公開された日本映画の歴代3位につけた。2002年公開の『千と千尋の神隠し』をはじめとする全スタジオジブリ作品、『遊戯王』などのこれまでのヒット作を超えた。1位、2位は2000年前後に全米公開された『ミュウツーの逆襲』と『幻のポケモン ルギア爆誕』の2つのポケモン映画だ。
 日本アニメ専門のファニメーションによる1200館の中規模配給であったことから、ヴァラエティ誌、ハリウッドレポーター誌などの米国有力メディアも、『ドラゴンボール超 ブロリー』をサプライズなヒットとして取り上げる。

 『ドラゴンボール超』は、マンガ家・鳥山明のマンガを原作としたアニメの最新シリーズ。1986年から東映アニメーションによりアニメ化されている。海外での人気も高く、日本アニメの代表作として知名度が高い。
 『ドラゴンボール超 ブロリー』では原作では描かれなかった新たなストーリーを映像としたことから、公開前よりファンからの期待が高かった。国内ではすでに36億円を超える興行収入だが、米国ではそれに迫る勢いとなった。

 映画大国として知られる米国だがそれだけに競争が厳しく、「全米公開」と呼ばれる3000館から4000館規模での外国映画の上映はハードルが高い。日本映画でも2005年以降は2000館以上で上映された作品はない。
 その一方でここ数年、デジタルシネマを利用した短期間集中上映での日本アニメ映画の上映本数、上映館数が増えている。その存在感も大きくなってきた。こうしたトレンドを牽引するのがファニメーション、イレブンアーツ、GKIDSといったアニメーションや日本映画に特化した配給会社である。

 それでも『ドラゴンボール超 ブロリー』のオープニング1250館は、ファニメーションとしては過去最高、破格の規模の劇場数である。これまでの「ドラゴンボール」シリーズの人気から勝負にでたかたちだ。
 ファニメーションの賭けは、良いほうに大きなサプライズとなった。劇場数が絞られていたこともあり、初日、金曜日のスクリーンアベレッジ(1スクリーン当たりの平均売上)は5000ドル超えと、メガヒットのハリウッド映画並みとなった。
 
 メディアウィンドウの変化を追い風に、2010年代に日本アニメ人気が再浮上しているとされている。そんな潮流を『ドラゴンボール超 ブロリー』が示した。
 作品のタイトルどおりの「スーパー(超)」なヒットになったが、今後はどこまで数字を伸ばすかが焦点になる。

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