2019年夏から池袋エリアで次々と開業する映画館・劇場の第1弾がいよいよオープンする。映画館興行チェーンの佐々木興業は、東京都豊島区東池袋一丁目に計画しているシネマコンプレックス「グランドシネマサンシャイン」を2019年7月19日(金)にオープンすると発表した。
開業時の上映作品は、まずは当日全国公開となる新海誠監督の新作『天気の子』。大型作品の初日にオープンをぶつけることで話題づくりと、興行の盛り上げで勝負をかける。さらに『東京喰種 トーキョーグール【S】』、『トイ・ストーリー4』、『Diner ダイナー』、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』。女性に人気のアニメ最新作『Free!-Road to the World-夢』は、池袋の女子カルチャーにもぴったりだ。
グランドシネマサンシャインは、佐々木興業が東急不動産と開発してきた地下2階地上14階建、延床面積1万6576㎡のキュープラザ池袋のキーテナントになる。12スクリーン、全2443席のキャパシティに加えて、国内最大級のスクリーン「IMAXレーザー/GTテクノロジー」など最新鋭の設備も売りになる。
さらに館内にオリジナルブランドのレストランとカフェも出店する。映画鑑賞プラスアルファでエンタテイメント性をさらに増す。5階のカフェはアメリカンの映画のイマージのアメリカンワッフル専門店『クラッパーズダイナー』、12階はレストランで『バール パノーラマ』としてスカイビューを楽しめるイタリアンバル。食事だけでも楽しめる従来のシネマコンプレックスの基準を上回るオリジナルメニューとなるという。
佐々木興業は、国内で14サイトを運営する有力シネマコンプレックス興行チェーンのひとつだ。池袋エリアでは、1985年以来シネマサンシャイン池袋は運営してきた。アニメ作品の上映も多く、地域を代表する映画館として親しまれてきた。
そのシネマサンシャイン池袋は、グランドシネマサンシャインのオープンに伴い7月12日の閉館が決まった。グランドシネマサンシャインから徒歩2、3分の距離、さらに施設の老朽化も進んでいたことから、新施設への拡張移転となったかたちだ。こちらは9スクリーン1409席であったから、グランドシネマサンシャインでスクリーン数で3つ、座席数で1000席ほど増えた計算だ。
また2020年夏にこちらも歩いて数分に完成予定の複合施設「Hareza池袋」内にTOHOシネマズ池袋がオープンすることもシネマサンシャイン池袋閉館に影響したかもしれない。スクリーン数10、約1700席を予定する。さらに近くにはスクリーン数6、約1500席の池袋HUMAXシネマズもあるから、池袋東口の3シネコンだけで27スクリーン、5600席にもなる。
都内有数のシネコン激戦地になる一方で、豊島区が掲げる「豊島区国際アート・カルチャー都市構想」の一翼を担うことになる。今後は、映画館以外の劇場施設のオープンもあるだけに、地域全体で集客をアップすることで、地域の盛り上げに一役買いそうだ。