バンダイナムコHD業績好調 ドラゴンボールにワンピース、海外は北米伸長

ファイナンス決算

 玩具・ゲーム・アニメの大手企業バンダイナムコホールディングスの今期の業績が依然好調だ。2月7日に発表された2017年3月期第3四半期の決算は増収増益で、特に利益面では前年同期比で約3割増となっている。
 第3四半期までの連結売上高は4591億300万円(8・0%増)、営業利益は601億6000万円(32.9%増)、経常利益は605億3900万円(28.3%増)、当期純利益は465億300万円(34.3%増)である。
 バンダイナムコHDは2016年11月に通期業績予想を見直したばかりで、過去最高の売上高と利益を見込んでいる。しかし、第3四半期の段階で営業利益、経常利益、当期利益の全てで通期の業績予想を上回り、すでに前年を超えている。第4四半期で次年度にむけた仕込みを積極化するとしているが、現在の予想を超えてくる可能性は高そうだ。

■ 海外はアメリカ、アジアが堅調 ヨーロッパは弱含む

 業績の好調は有力キャラクターの売上が拡大していることが大きい。ドラゴンボールは前年同期の250億円から6割増の396億円、ワンピースは173億円から232億円の3割増となっている。ガンダムシリーズ、仮面ライダーシリーズ、アンパンマン、プリキュアも売上高を伸ばした。ブームが一段落した妖怪ウォッチが303億円から89億円に減少した分をカバーした。
 キャラクターや作品の活用の範囲がますます広がっており、人気IPを多く持つバンダイナムコHDに追い風が吹いている。またそうしたIPの活用は海外にも広がっており、近年は海外からの利益も拡大している。
 売上高で伸びの大きかったのは、アメリカで24%増の380億4400万円、利益も40億2000万円と14.8%増だった。アジアの売上高はほぼ前年並みの309億6000万円、しかし在庫の適正化も進めたことから利益は68億3100万円と22.1%増と大きく伸びた。経済全体の低迷が続くヨーロッパは売上高288億6500万円(31.4%減)、営業利益は30億円(15.6%減)だった。海外売上高比率は20%を超える。

■ トイ事業はハイターゲットを推進 バンプレストはトイホビー部門に異動

 事業別では好調だったのは、ゲームを中心としたネットワークエンターテイメント事業である。売上高は2804億5300万円(23.2%増)、営業利益は385億2500万円(102.3%増)。
 家庭用ゲームソフトで『DARK SOULS Ⅲ』や『ドラゴンボールゼノバース2』がヒットしたほか、スマートフォン向けゲームアプリ、PCオンラインも好調だった。『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』、海外の『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が支えた。

 一方でトイ事業は売上高1460億2800万円(9.9%減)、営業利益は126億7900万円(27.7%減)と減収減益であった。前年の『妖怪ウォッチ』ブームの反動が大きかったと見られる。
 今期は大人に向けたハイターゲット玩具に力を入れている。こうした施策は国内だけでなく、アジアでも効果を発揮している。ガンダムシリーズや大人向けのコレクション性の高い玩具が好調だ。
 こうした一環として、これまでネットワークエンターテインメント事業に属していたバンプレストとその関係2社をトイ事業に移管した。ハイターゲット向け商品の強化を目指す。

 映像音楽プロデュース事業は、『ガールズ&パンツァー』、『ラブライブ!』、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が好調だった。売上高は409億8000万円(8.5%増)、営業利益は119億3300円(18.6%増)の増収増益。
 ただし、第4四半期は、前年は『ラブライブ!』ファイナルライブといった大きな売上があった反動が見込まれる。タイトルラインナップ編成も番組の端境期にあたるため、前年同期には及ばないと見通している。

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