バンダイナムコホールディングスの2022年3月期決算が当初見通しを大幅に上回り、売上高と利益で過去最高を達成した。連結売上高は8892億7000万円の20%増、営業利益は1254億9600万円(48.2%増)、経常利益1336億800万円(52.5%増)、当期純利益927億5200万円(89.7%増)と伸び率も大きい。
もともと増収増益を予想していたが、それよりさらに上振れしたのは2022年2月に発売した家庭用ゲームの『ELDEN RING』が当初見込んでいた出荷本数400万本が1340万本と大きく上回ったためだ。ゲームだけでなく、トイホビー、映像音楽、クリエイション、アミューズメントと全てのセグメントで増収増益を実現している。
売上と利益が最も大きかったのは、ゲームやネットワークなどを含むデジタル事業だ。『ELDEN RING』のほか家庭用ゲームで『テイルズ オブ アライズ』や既存タイトルのリピート販売も好調だった。ただしアプリゲームなどのネットワークは、前年には及ばず減少となった。デジタル事業全体では売上高3781億7300万円(11.9%増)、営業利益は696億3400万円(22.6%増)である。
トイホビー事業は売上げ、利益ともデジタル事業とほぼ同規模で、売上高3736億2500万円(24.2%増)、営業利益は523億1900万円(33.9%増)だった。「ガンダム」シリーズのプラモデルを始めとしたハイターゲット(大人層)向けの商品が引き続き好調、海外展開も拡大している。
映像音楽事業は売上高539億4100万円(57.6%増)、営業利益56億9800万円(267.9%増)と大幅な伸び。「ガンダム」シリーズ、「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズなどが中心で、パッケージ販売は通期で124億円。ライセンス収入の伸び、ライブイベントの開催も増加した。
アニメーションの企画・制作にあたるクリエイション事業は売上高375億6400万円(33.1%増)、営業利益28億3000万円(3.3%増)である。サンライズや創通などから構成される事業セグメントである。アニメーション制作は「ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズなどがあったが、先行投資が大きく利益は限定的だったとしている。ガンダム関連のライセンス収入が好調だった。
23年3月期から映像・クリエイション部門がバンダイナムコフィルムワークスに統合されたのに合わせて、映像音楽事業とクリエイション事業もIPプロデュース事業に統合される。その売上高は800億円と今期並み、営業利益は100億円とやや増益を予想している。