2021年11月9日に第2四半期決算を発表したバンダイナムコホールディングス(HD)が、業績好調を続けている。前年同期比16.8%増となった連結売上高は3936億4600万円、営業利益は34.4%増の617億5100万円、いずれも過去最高を記録した。経常利益641億1100万円(35.8%増)、当期純利益395億2700万円とこちらも高水準だ。
家庭用ゲームソフトの販売、コアファン向けの玩具などの好調が牽引した。また事前の予想を大きく上回った業績を背景に、通期連結予想を上方修正した。売上高7500億円は7950億円に、営業利益は750億円から900億円に、経常利益は760億円から930億円に、当期純利益は520億円から580億円に引き上げられる。
このなかでゲーム関連のデジタル事業は減収減益だった。家庭用ゲームで『テイルズ オブ アライズ』『僕のヒーローアカデミア ULTRA IMPACT』が好調だったが、スマホアプリゲームが前年同期に及ばなかった。売上高は1495億97百万円(10.7%減)、営業利益は260億800万円(24.6%減)。
好調だったのはトイホビー事業とアニメを中心とする映像音楽事業である。トイホビー事業は「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュアなどが大人層に人気、海外事業も拡大している。売上高は1781億2300万円(35.9%増)、営業利益は330億92万円(73.1%増)。
映像音楽事業は売上高236億2700万円(69.7%増)、営業利益30億5900万円(183.8%増)と高い伸びだ。前年はコロナ禍の打撃が特に大きかったことからその反動もあるとみられる。
主力タイトルは「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズなどで、映像・音楽ソフト販売のほかライセンス収入が大きかった。またライブイベントへも前年同期に比べ開催回数が増加した。
アニメーション制作やライセンス管理のクリエイション事業は、売上高は156億9600万円(64.2%増)と大きく伸びたが、営業利益は逆に9億900万円と前年より52.5%減となっている。「GUNDAMFACTORY YOKOHAMA」が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたほか、コスト先行のためとしている。クリエイション事業の主力企業サンライズは、今期中にグループアニメスタジオの集約、大規模な移転を実施する。
またバンダイナムコHDは2022年4月に、映像音楽事業とクリエイション事業の主要企業の再編も予定している。また今回の決算発表日には実写映画版『機動戦士ガンダム』や人気タイトル『TIGER & BUNNY』の続編の新情報も公開している。アニメ事業に対して攻めの姿勢が強まっている。今後の業績への影響もますます注目されそうだ。