編集者と作家が協力して、たった2日間で新作小説を書き上げる。そんなユニークな試みが2月4日と5日の2日間で開催された。作家の創作活動とインディーズ出版の盛り上げと支援を行っている特定非営利活動法人日本独立作家同盟が主催した「NovelJam」(ノベルジャム)である。
会場には著作活動をする20名と、編集者10名がまず集まり、ほとんどが初対面とのなかで3人1組でチームを作った。著者は創作と執筆を、編集者はそのサポートとデザインの打ち合わせなどをする。最終的には電子書籍の制作や発売までを2日間でやり抜いた。
NovelJamの中で、完成した作品は全部17タイトル、文字数では12万字を超えるボリュームとなった。完成した作品はSF作家の藤井太洋氏や米光一成氏、 海猫沢めろん氏らの審査員の選考により、優秀作品も選ばれた。
最優秀賞作品は、新城カズマ氏(著者)、賀屋聡子氏(編集)、松野美穂氏(アートディレクター)、kasuga氏(デザイン)、有田満弘氏(イラスト)による『原稿は来週水曜までに』。締切に追われる作家と、人工知能による執筆、編集をテーマにした近未来SFである。本作をはじめ、NovelJamで完成した本は電子書店のBCCKにて購入できる。
日本独立作家同盟は、自身の作品を電子書籍などを通じて自ら出版する独立系作家の活動を広げる支援をしている。NovelJamもその一環で、作品づくりを通じて著者と編集のコミュニーケションのとりかただけでなく、販売や流通も知ろうというものだ。
当日は作品づくりのほか、藤井太洋氏、 編集者の三木一馬氏による講演も実施。BCCKSによる電子書籍セミナーも行われた。
これまでない試みにも関わらず、30名の募集に80名以上の応募があったという。著者、編集者の側からも新しい時代に挑戦したいとの機運が感じられる。
「NovelJam」(ノベルジャム)
http://www.allianceindependentauthors.jp/