玩具・ゲーム好調、バンダイナムコHD通期売上高、営業利益過去最高

ファイナンス決算

 新型コロナ禍の逆風を受けながらもバンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)の業績が堅調だ。5月11日に発表された通期連結決算で過去最高の売上高7409億300万円(2.3%増)、営業利益846億5400万円(7.5%増)を実現した。経常利益も876億1200万円(9.8%増)と高水準。
 アミューズメント機器・施設運営のリアルエンターテイメント事業、放送や映画公開、ライブイベント延期や中止が相次ぎ厳しかった映像音楽プロデュースが厳しかったが、好調な玩具やゲーム関連が補った。 ただ不調だったアミューズメント事業構造改革のため117億円の当別損失を計上したことで、当期利益は、488億円9400万円で前年比15.2%のマイナスになった。

 トイホビー事業は、ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」や大人層に向けたハイターゲット商品が好調だったことだ。いずれも国内外のオンラインイベントやECで好調だった。コロナ禍をデジタルを積極的で乗り切ったかたちだ。また『鬼滅の刃』や『ディズニー ツイステッドワンダーランド』といった新規作品にいち早く取り組んだことも奏した。
 売上高2960億1600万円(16.7%増)、営業利益382億2000万円(43.0%増)と大幅な増収増益を実現している。

 アプリゲームや家庭用ゲームが中心となるネットワークエンターテインメント事業も好調だった。売上高は3441億5000万円(4.9%増)、営業利益は573億5600万円(30.7%増)だ。こちらもデジタル関連が牽引している。アプリゲームでは「ドラゴンボール」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズが主力。また家庭用ゲームでも『リトルナイトメア2』が好調だった。
 リアルエンターテインメント事業は639億2300万円(30.3%減)、営業損失が83億7900万円である。国内外のアミューズメント施設休業が響いた。

 映像音楽プロデュース事業は大きく落ち込んだ。売上高は280億8900万円と前年比40.2%の大幅な減少だ。営業利益も87.9%減と大きく落ち込んだが、9億6900万円と黒字は維持した。
 映像音楽プロデュース事業はバンダイナムコアーツが中心で、アニメ・実写の映像部門と音楽部門が主軸となっている。音楽部門では前年753回あったライブイベントが308回に激減している。映像部門もアニメーション制作の遅れ、映画公開の遅れでDVD・ブルーレイの発売タイトル数が減った。
 制作とライツマネジメントでからアニメを主軸にするIPクリエイション事業も大幅減益だった。売上高は282億1300万円(20.1%増)と伸びたが、これは今期より連結子会社となった創通が加わったためだ。営業利益は27億4000万円(56.3%減)である。イベントの減少、それとアニメーション制作費の上昇が理由だ。

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