テレビ東京、第2四半期 アニメ事業海外比率が過去最高76%に

ファイナンス決算

 テレビ東京ホールディングスが2020年11月5日に2021年3月期第2四半期決算を発表した。連結売上高は643億3200万円と前年同期比10.1%減となったが、営業利益は20億900万円(40.5%増)、経常利益は21億5100万円(54.7%増)、当期純利益は10億5600万円(173.5%増)と利益面では増加した。
 売上高の減少は新型コロナ感染症拡大の影響でテレビ広告需要が低下、特に地上波放送の広告が厳しかった。一方で第1四半期を中心に番組制作が停滞したことで営業費用が減少した。また通販部門が好調、BS放送が堅調で増益につながった。

 成長を続けてきたアニメ事業も、第2四半期までは売上高102億8600万円で11.6%の減少だ。配信関連が堅調だったが、ゲームが振るわなかった。また『劇場版ポケットモンスター』の公開が延期になるなど、アニメ映画のタイトルが前年同期比で減少している。
 期間中の主要タイトルは、売上高で『BORUTO』、『NARUTO』、『遊戯王』、『BLEACH』、『ブラッククローバー』。利益面では『BORUTO』、『NARUTO』、『ポケットモンスター』、『ブラッククローバー』、『遊戯王』の順で貢献が大きかった。

 国内に較べると海外が堅調だった。国内売上高の前年比23.9%減24億5400万円に対して、海外売上高は78億3100万円と8.9%減にとどまった。『BORUTO』のSNSゲームが中国などで売上を伸ばした。この結果、アニメ事業の海外売上比率は76.1%と過去最高となった。
 第2四半期までの減少は大きいが、通期予想では売上高の下げ幅は0.6%の小幅にとどまる。11月5日時点で通期売上予想を修正したが、売上高は216億5800万円とする。下半期に一定の売上げを見込んでいそうだ。

 アニメを含むライツ部事業全体も、売上高は12.5%減の131億8500万円だった。粗利益は7.8%減の47億8900万円である。イベント部門の不調も響いた。
 またアニメ関連では、アニメ専門チャンネルAT-Xを運営するエー・ティー・エックスの売上高が23億8400万円、こちらも14.8%の減少である。有料加入者数が減少したほか、広告関連売上やライツ売上も想定に達しなかった。一方で営業費用が減少したことで、営業利益は増加した。

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