アニメーション監督・メカニックデザイナーの河森正治氏が、2025年に大阪・夢州で開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)のプロデューサーの一人を務めることになった。2020年7月13日、2025年日本国際博覧会協会は、会場デザイン、会場運営、テーマ事業のそれぞれのプロデューサーを発表した。
河森正治氏は、8つあるテーマ事業のうち「いのちを育む」を担当する。「宇宙・海洋・大地に宿るあらゆる「いのち」のつながりを感じ、共に守り育てる」を表現するという。やや意外な組み合わせにも見えるが、河森氏はこれまで自身の作品で自然との共生や生命についてたびたび取り上げてきた。河森らしさを発揮できる役割だ。
大阪・関西万博は2025年4月13日から10月13日までを予定する。数ある国際博覧会のなかでも最大規模の登録博に分類され、国内では1970年の大阪万博、2005年の愛知万博に続く3回目となる。世界では2020年に予定され、21年から22年に開催延期をしたドバイ国際博覧会の次となる。
全体のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、会場全体が大阪湾に築かれた人工島というのも話題になっている。会場デザインプロデューサーは建築家の藤本壮介氏、会場運営プロデューサーはプランナーの石川勝氏が選ばれた。
河森正治氏は大学在学中からアニメーション制作に参加し、人気アニメ『超時空要塞マクロス』の変形メカ「バルキリー」のデザインを担当。23歳の時に『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』の監督を務めるなど才気溢れる早熟のクリエイターとして知られた。
その後も監督・演出・メカニックデザイナーと様々な役割で活躍を続けている。AIBOERS-220や日産デュアリスCMメカ「パワード・スーツ デュアリス」のデザインを務めるなど産業界とのコラボレーションも多い。
大阪・関西万博ではこの他にも、映像分野からのプロデューサー起用が目立った。シニアアドバイザーも務める映画監督の河瀨直美氏は国際映画祭での数々の受賞で知られる。『料理の鉄人』『カノッサの屈辱』の構成、映画『おくりびと』の脚本も務めた放送作家の小山薫堂氏らである。
開催までまだ5年と時間はあるが、それだけにじっくりと練り上げた大掛かりな仕掛け、クリエイティブが期待される。
2025年日本国際博覧会協会
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