映画・演劇事業の松竹が、7月14日に2021年2月期第1四半期(20年3月~5月)の決算発表をした。新型コロナウイルス感染症拡大の影響が直撃し、厳しい業績となった。
売上高は前年同期比で63.2%の大幅減少で86億800万円。営業損失14億6900万円、経常損失18億1000万円、当期純損失43億7800万円と大幅な赤字を計上した。期間中の公演中止損失と臨時休業等による損失を特別損失として計上している。
映画関連事業は売上高が46億2300万円(64.4%減)、営業損失が11億9600万円である。3月に『Fukushima 50』、『一度死んでみた』を配給したものの、公開延期作品があった。また映画興行は営業時間短縮や休館の影響があった。CS放送事業は計画通りの利益となったが、全体では厳しい結果となった。
演劇事業は歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、南座などの興行が中心となるが、いずれも公演を中止・延期している。売上高は8億6800万円(87.5%減)、営業損失は6億4200万円である。
不動産事業は堅調だった。売上高は29億3000万円(1.7%増)、営業利益は14億5800万円(11.3%増)となった。歌舞伎座タワー、銀座松竹スクエア、東劇ビル、新宿ピカデリー、有楽町センタービルほか主要物件で満室を維持している。4月には浅草六区松竹ビルも竣工した。
また通期業績予想は、新型コロナウイルスの影響を現段階で合理的に算定するのが困難として引き続き未定とした。