2025年、大阪市夢洲で国内では20年ぶりとなる国際博覧会である大阪・関西万博が開催される。大阪では45年ぶりの博覧会だ。
国際博覧会だけにその時期には会場に各国政府・組織団体、そして企業によるいくつもの大型パビリオンが並ぶはずだ。その中でも一際注目を集めそうなのが、バンダイナムコグループによるものである。エンタテイメントの大手企業グループとして知られるが、大阪・関西万博は同社の創造する主要作品「ガンダム」にテーマを絞る。
バンダイナムコホールディングスは、2022年5月30日に「ガンダムパビリオン」と仮称した本プロジェクトの出展概要を明らかにした。
「ガンダムパビリオン」のテーマは、未来社会の課題解決に向けた実証実験になる。長年愛されてきたSFアニメ『機動戦士ガンダム』を軸に「もうひとつの宇宙世紀」を舞台に描きだすという。
内容としては、「未来社会の課題解決に向けた実証実験」、「人と人のつながりによる「共創」の実現」、「『機動戦士ガンダム』が示す未来の可能性」、「リアルとバーチャルが連動した未来体験」の4つを挙げている。
そうしたパビリオンの具体的な映像、展示、体験などは今回明らかにしていない。しかし「ガンダム」シリーズは現在横浜で展開中の「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」を始め、数々の体験型アトラクションを展開している。こうしたノウハウをさらに発展させるものになりそうだ。
現在、大阪・関西万博に出展を予定する民間バピリオンは、バンダイナムコホールディングスのほか住友グループ、三菱グループ、パナソニック、吉本興業など13企業・団体と決して多くない。長期間にわたる巨大なパビリオンのコストは馬鹿にならないためとみられる。
そのなかで敢えて大型投資による出展を決めたのは、海外に向けて事業拡張を目指すバンダイナムコホールディングスの事業戦略にもありそうだ。海外から多くの人が訪れ、メディアに取りあげらることも多い万博でガンダムの存在感を誇示することで、その認知度とブランド価値をいっきに高めようとするとみられる。
かつては最先端のテクノロジーを展示してきた日本だが、いまやエンタテイメント・ソフト産業が無視できないものになっていることも感じさせる。2025年には大阪・関西万博から、様々な「ガンダム」の情報とカルチャーが発信されることになりそうだ。