東京放送(TBS)が放送外事業のひとつとして電子マンガに進出することになった。2020年7月7日、TBSはDeNAの完全子会社であった電子マンガ事業「マンガボックス」の株式49%を取得したことを明らかにした。
株式会社マンガボックスが第三者割当増資を実施、TBSがこれを引き受けた。出資比率はDeNAが51%、TBSが49%で、引き続き東京都渋谷区のヒカリエに置かれる。
マンガボックスは、マンガ雑誌アプリとして2013年12月にスタートした。無料コンテンツが売りとなっており、アプリの累計ダウンロード数は1500万を超える。有力サービスが多いマンガアプリのなかでも主力のひとつになっている。
マンガボックスによれば利用者の中心は20〜30代の男女で、恋愛やホラー、サスペンスなどでヒットが生まれている。またIP開発に力を入れており、オリジナル作品を多く掲載している。
今回、合弁事業としてマンガボックスに参加するTBSは首都圏キー局のひとつで、放送業界のキープレイヤーである。しかしこれまではアニメやマンガといったポップカルチャー、また配信事業への進出はライバル他局に較べて遅れ気味だ。
TBSは「グループ中期経営計画2020」になかで、コンテンツ強化と総合メディア戦略の推進を掲げている。放送以外のデジタル分野への進出に加えて、オリジナルIPの開発は火急の課題だ。オリナルIPの中核にもなりうるマンガ分野は、こうした狙いに合致する。
DeNAにとっても放送メディアの大手で映画ビジネスも手がけるTBSと組めば、「マンガボックス」の作品の多角的な展開の可能性も広がる。
両社はTBSの映像分野における制作力と媒体力とDeNAのIT分野における編集力とマーケティング力を掛け合わせるとする。新しい時代のコンテンツ創出、クロスメディア展開を目指す。