DeNA、米国事業子会社撤退 スマホゲーム子会社ngmocoも清算へ

ファイナンス決算

モバイル向けサービス、コンテンツ事業を展開するディー・エヌ・エー(DeNA)の海外戦略が一歩後退することになりそうだ。DeNAは10月18日の取締役会でサンフランシスコに本社を持つ米国現地法人DeNA Global, Inc.の解散と清算を決定した。併せてDeNA Globalの子会社でスマートフォン向けにゲーム開発・販売を行っていたngmoco, Inc.も解散する。
今回の事業清算は、2016年3月期の欧米地域の体制見直し後もDeNA Globalが期待する水準のヒット作を出せなかったためとしている。今後の欧米地域での戦略は外部パートナーとの協業に移り、引き続き市場開拓に注力するとしている。しかし、2008年のDeNA Globalの設立にスタートしたDeNAの海外直接進出は挫折したことになる。

DeNA Globalは、2008年に携帯総合ポータルサイト「モバゲータウン」のビジネスモデルを海外に移植するべく設立された。2010年11月にはスマートフォン向けのソーシャルゲームアプリの開発・販売のngmocoを最大約4億ドル(当時の為替で約340億円)で買収、これはDeNAにとって過去最大の買収として注目された。その後はCygamesが開発した「Rage of Bahamut」の海外展開で注目を集めることもあった。
しかし、ビジネスは期待どおりの成長とはいかなかった。2013年12月期の売上高は約1億2800万ドルにまで拡大したが、当期純損失を4400万ドル計上している。売上高は過去2年間で14年8200万ドル、15年6100万ドルと縮小する一方で、当期純損失は14年4100万ドル、15年4000万ドルと、40億円規模を続けてきた。DeNAの事業全体でも無視出来ない規模だ。

今回の撤退にあたり、2017年3月期第3四半期に約30億円の費用が発生し、連結決算に計上される見込みだ。一方で、のれんに関わる減損損失は新たに発生しない。株式評価損として、これまですでに約551億円を計上しているためである。
日本のコンテンツ企業の海外直接進出は、これまでもリスクが高いとされてきた。確かな成功例も多くある一方で、事業の全面撤退など結果を出せないことも少なくない。今回のDeNA Globalの撤退は、そうした海外展開のなかでも手痛い失敗例として記憶に残りそうだ。

一方、DeNAは、2015年から2016年にかけて、事業再構築を積極的に進めている。2015年にはゲーム大手の任天堂と株式持ち合いによる資本業務提携を実施、2016年12月からは国内外で人気のゲームキャラクターであるスーパーマリオを主人公にした「SUPER MARIO RUN」の配信開始予定とかたちになって表れている。
10月16日は、創業期に経営を支えたEC事業「DeNAショッピング」と「auショッピングモール」を事業分割し、KDDIに売却する大胆な決断も行った。今後の成長が望める分野、収益性の高い分野に集中することで、業績の拡大を目指す。

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