アニメ企画のグループ統括会社ツインエンジンが、2020年からアニメーション制作スタジオの新しい体制を構築する。2020年4月30日、ツインエンジンは同社のYouTube公式チャンネルにて「TWINENGINE Conference 2020」を開催、その中で新設法人「EOTA」の設立を明らかにした。
発表によれば、EOTAは「スタジオコロリド」、「ジェノスタジオ」、「Lay-duce」、「PEKYS」、「daisy」、「FILMONY」、「team ヤマヒツジ」の7つのスタジオ・チームを統括する。それぞれのスタジオ・チームのクリエイティブを活かし、一方で協力しながら活動を目指す。
ツインエンジン代表取締役の山本幸治氏は、今後アニメ業界ではアニメーション制作会社の淘汰が進むと説明。そのなかでクリエイターの個性を活かした組織としてこのかたちに辿り着いたようだ。
実際に今回発表された各組織は、いずれも独自の特徴がある。ジェノスタジオ、Lay-duceは、長年日本のアニメーション制作に主流であった手描き2Dアニメが中心のスタジオ。スタジオコロリドは、2011年に設立された若手中心のスタジオで、『ペンギン・ハイウェイ』、6月18日にNetflixで世界配信を開始する『泣きたい私は猫をかぶる』などの代表作がある。
さらにFILMONYは、スタジオコロリドで『台風のノルダ』を監督した新井陽次郎氏が中心になって設立した。team ヤマヒツジもスタジオコロリドからスピンオフした。
またdaisyはツインエンジンのデジタル作画部が、このほど新たにブランディングしたものだ。PEKYSはCGに特化している。
山本氏が指摘するように、近年、アニメ業界ではアニメーション制作会社の再編、グループ化、大手企業による系列化が進んでいる。アニメーション制作費の高騰が続くなか、各スタジオに資金力が求められている事情もある。
そのなかでクリエイターやスタジオの個性をどう残していくのが大きな課題になっている。ツインエンジンの挑戦がどんな結果をだし、アニメ業界全体に影響を与えるのかが注目される。