東京国際映画祭の併設国際見本市であるTIFFCOMが、2020年からファイナンスにフォーカスした新たな企画マーケットをスタートする。2020年11月4日から6日から開かれるTIFFCOMで、「TOKYO Gap-Financing Market(TGFM)」を開催する。製作資金の一部調達は出来ているが最終的な資金に達していないプロジェクトに特化したマーケットだ。
TIFFCOM事務局は2020年5月1日より、プロジェクトの参加応募受付を開始した。2020年7月1 日までオンラインで受けつける。応募のあったなかから最大20企画が選抜され、登録される。選抜されたプロジェクトは、国際的なバイヤー、インベスターなどとのネットワーキングや個別ミーティングの機会が与えられる。またマーケットバッジのほか、一部旅費や宿泊費がサポートされる。
TIFFCOMは2004年に東京国際映画祭の併設マーケットとしてスタート、今年で17年目を迎える。アジアを代表するコンテンツ見本市のひとつである。
国際見本市では、作品を企画段階からプロモーションして資金調達を探る企画マーケットはポピュラーな存在だ。そのなかで「Tokyo Gap-Financing Market」は、「ギャップファイナンス」に目をつけることで差別化を目指す。
ギャップファイナンスは、製作資金のかなりの部分を集めたが、残り最後が決まらない状態とその資金調達である。ギャップファイナンス状態の企画の強みは、資金が一部集まっていることで作品・プロジェクトの内容や実現性がある程度吟味されていることだ。それだけに企画の実現性が高い。これはプロジェクトを出す側にも、探す側にも都合がよい。
「Tokyo Gap-Financing Market」では、日本、アジアなどから最大で20の国際プロジェクトを集める。このうち長編フィクション映画を最大6~7本、テレビ番組を最大6~7本、長編映画とテレビシリーズを含むアニメを6~7本と想定している。
マーケットには国際的に活躍するプロデューサー、セールスエージェント、配給会社、金融関係者、放送局、投資家を招く予定だ。両者を結ぶことでビジネス機会を創出する。
応募資格で注意しなければいけないのは、すでに資金の一部が調達されていなければいけないことだ。長編映画 (アニメ含む) では全予算の60%以上を、テレビシリーズでは50%以上を確保していることを証明しなければならない。
またいずれの場合でも、監督にはすでに監督としての実績があることが求められる。またプロデューサーは、プロデュースと国際共同製作の経験が必要だ。
参加のハードルは高いが、企画を厳選するとの方向性は見本市の質をあげるのに力を発揮しそうだ。2020年から会場を港区・プリンスパークタワー東京に移すTIFFCOM 2020の新たな挑戦である。
Tokyo Gap-Financing Market(TGFM) (TIFFCOM2020内)
2020年11月4日~11月6日
会場:ザ・プリンスパークタワー東京(東京都港区芝公園4-8-1)
https://www.jcs.tokyo/ja/news/newsletter/2020_market