バンダイナムコホールディングス(バンダイナムコHD)が、海外法人の再編にも乗り出した。米国、ヨーロッパ、中国の主要3地域で、連結子会社の現地法人の統合を実施する。
米国ではマス向とハイターゲット向け、ヨーロッパと中国では玩具事業とゲーム事業の連携を強化する方針が反映されている。バンダイナムコHD はこの4月に5つの事業ユニットを3つに統合するなど、大胆な組織再編が進む。海外法人の再編もこれらに合せたものになる。
まず米国では、バンダイ・アメリカ(BANDAI AMERICA INC.)がバンダイナムコ・コレクティブル(BANDAI NAMCO Collectibles LLC)を吸収するかたちで統合される。バンダイナムコ・コレクティブルは、2018年に現地の玩具流通のBLUEfinの事業買収のために設立されたハイターゲット玩具流通会社である。「BLUEfin」のビジネスをバンダイに取り込み、マス向けとハイターゲット向けを合わせて展開することになる。
これとは別にバンダイナムコHDは、北米におけるアミューズメント施設運営事業からの撤退を発表している。これによりナムコUSA(NAMCO USA INC.)は事業を売却、業務用ゲームの販売を行うバンダイナムコ・アミューズメント・アメリカ(BANDAI NAMCO Amusement America Inc.)と合併する。
統合は2021年4月1日付。近年、事業が上向いている北米事業を統合整理することで、さらに市場開発を目指すことになりそうだ。
フランスではバンダイナムコ・エンタテインメント・ヨーロッパ(BANDAI NAMCO Entertainment Europe S.A.S.)が、バンダイナムコ・ホールディングス・フランス(BANDAI NAMCO Holdings France S.A.S)に統合合併される。
バンダイナムコ・ホールディングス・フランスはヨーロッパ事業を統括する持株会社で、バンダイナムコ・エンタテインメント・ヨーロッパはゲームとネットワークの事業会社。トイ事業とゲーム事業をひとつにまとめるかたちだ。 2021年9月30日に統合、10月1日には新体制に移行する。
さらに中国ではバンダイナムコ・エンタテインメント(上海)がバンダイナムコ・トイズ&ホビー(上海)を統合する。こちらもバンダイナムコ・エンタテインメント(上海)のゲーム・ネットワーク事業とバンダイナムコ・トイズ&ホビーの玩具事業が一本化されるかたちだ。さらにバンダイ(深圳)のトイホビー販売機能もバンダイナムコ・エンタテインメント(上海)に移管される。
事業連携を強化することで、中国における IP 軸戦略の拡大をはかるとしている。オールバンダイナムコで中国ビジネスの攻略を目指すことになる。新体制の移行は2022年1月1日を予定する。