『進撃の巨人』や現在放送中の『GREAT PRETENDER』などで人気のアニメスタジオWIT STUDIOが、実写映画製作にも事業を広げている。グループ持株会社のIGポートは7月17日に、WIT STUDIOが製作する実写映画『東京バタフライ』の2020年9月11日公開決定を発表した。
『東京バタフライ』は若手映画監督の佐近圭太郎の初の長編作品となる。佐近は日本大学芸術学部を卒業、卒業制作の短編『家族の風景』で注目を浴びた。本作ではメジャーデビュー間近ななかで解散した大学生バンド 4 人組の6 年後を描く。主演はシンガーソングライターの白波多カミン、水石亜飛夢、小林竜樹、黒住尚生らが出演する。
WIT STUDIOが実写映画を製作するのは、2018年の『四月の永い夢』をスタートに『わたしは光をにぎっている』、『静かな雨』に続く4作目だ。いずれもTokyo New Cinemaが制作で、若手が中心のインディーズ作品でもあり予算もさほど大きくない。『東京バタフライ』でも公開はアップリンク吉祥寺からスタートして全国順次公開とする。WIT STUDIOは、映画のプロデュースのほかプリプロダクションの一部に参加する。
これまでの作品は積極的に海外映画祭に出品し、『四月の永い夢』がモスクワ映画祭でコンペティションに選ばれるなど成果を積み重ねている。『東京バタフライ』でも国内外の映画祭も視野に、期待がされそうだ。
IGポートグループはアニメが中心で、長らく実写映画の製作はしないと見られてきた。しかし2016年に押井守監督の『ガルム・ウォーズ』で実写映画に本格進出している。また「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が所属することもあり、2017年には同監督による実写映画『亜人』の製作・制作に参加している。
WIT STUDIOの取り組みはこうした流れとは異なるが、IGポートグループの新しい方向性を感じさせるものとなっている。
『東京バタフライ』
https://tokyo-butterfly.com/
2020 年 9 月 11 日(金)より全国順次公開予定