ブロッコリー期末増収減益「うたプリ」好調も、アプリゲーム「マルコネ」開発中止

ファイナンス決算

 キャラクター事業のブロッコリーは、4月10日に2020年2月期(19年3月~20年2月)の通期決算発表をした。『うたの☆プリンスさまっ♪』のヒットに牽引され売上高は前年に引き期続き増加、8.4%増の64億7900万円と好調だった。
 しかし利益面では、前年比減少となった。営業利益が6億8000万円(15.9%減)、経常利益7億300万円(15.7%減)、当期純利益は3億7800万円(31.2%減)だ。

 利益の減少は、不調なコンテンツを早い段階で償却したためだ。なかでも大きな決断は、すでに事前登録を開始していた女性向けスマートフォン向けゲームアプリ『マルチポイント×コネクション~稜風学園購買部~』の開発中止である。ゲームクオリティを向上させたうえで2020年春の配信スタートを目指していたが、昨今の市場情勢も考慮することで開発中止を決定した。
 『Z/X』のゲームアプリ「Z/X Code OverBoost」も苦戦していることから、初期開発費全額を償却して特別損失に計上した。当該ゲームは2019年10月に放送開始したテレビアニメ『Z/X Code reunion』と連動したが、スタート時から想定した売上高を確保することが出来ず赤字が続いている。また『Z/X Code reunion』のアニメ制作費も全額費用として期中に費用とした。
 ゲームアプリは苦戦したが、トレーディングカードゲーム『Z/X -Zillions of enemy X-』は好調だった。売上高は前年から大きく伸びた。利益面でも増益を確保、2020年1月には累計出荷数が3000万パックを越えるなど話題も多かった。

 主力コンテンツの『うたの☆プリンスさまっ♪』は引き続き好調だ。なかでも2019年6月に公開した『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム』が興行収入18億円、観客動員115万人を越える大ヒットになった。劇場版のヒットによるイベント集客効果も大きく、関連グッズはが増収増益だった。
 ブロッコリーは映画の製作委員会運営も担当しており、そのロイヤリティの収益配分も大きかった。ただし興業収入と映像・音楽ソフトの収益配分は2021年2月期に支払われる。来期の業績に貢献することになる。

 ブロッコリーの課題は、業績における特定タイトルへの依存度の高さである。2020年2月期は全体売上高の58.4%を『うたの☆プリンスさまっ♪』、15.6%が『Z/X』となっている。前期はそれぞれ53.1%と12.1%だったことから拡大している。
 新たなオリジナルコンテンツとして期待された『マルチポイント×コネクション~稜風学園購買部~』の開発中止は今後の戦略に対する影響も大きい。今後のコンテンツ開発のスピードアップが求められることになる。

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