オタワが映画祭コンペイン作品発表 日本から林俊作氏、冠木佐和子氏らも

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 世界四大アニメーション映画祭のひとつカナダのオタワ国際アニメーション映画祭(Ottawa International Animation Festival)が、2018年の公式上映作品を発表した。世界84ヵ国から2469作品もの応募があり、この中から短編110本、長編7本が公式上映に選ばれた。単純な競争率は20倍以上という、狭き門である。

 日本からも複数の作品がコンペティションで上映される。短編部門には林俊作氏の『Down Escalation』、冠木佐和子氏の『WAAAAH』が挙がっている。
 林俊作氏はロンドン大学ゴールドスミス美術学部にて現代美術を学んだ後、数々の映画祭で受賞を重ねている。今年のスラムダンス映画祭ではアニメー ション部門でグランプリを獲得する注目のアーティストである。
 冠木佐和子氏も、アヌシー国際アニメーション映画祭、ザグレブ国際アニメーションフェスティバルなどで主要な賞を次々に獲得する話題の才能。実力派のふたりがオタワにも登場する。

 受託作品部門には、山田遼志氏の『MAD LOVE』がコンペイン。Keita Sanoのミュージックビデオとして製作された作品だ。
 また未就学児向け短編部門には、溝口広幸氏の『ふわふわアワー PuiPui&MuuMuu』、宮澤真理氏の『こにぎりくん』が選ばれている。いずれもNHKエンタープライズがNHKでの放送のために製作した作品だ。 
 学生作品では、ワールドパノラマにて2作品が上映される。東京藝術大学大学院映像研究科の今津良樹氏『モフモフィクション』、広島市立大学芸術学部の松岡美乃梨氏『おやすみ、コンビニ。』だ。
 昨年、湯浅政明監督の『夜は短し歩けよ乙女』がグランプリを獲得した長編部門だが、今年は日本からの作品はない。3月に東京国際アニメアワードフェスティバルでグランプリとなった台湾の『幸福路上(オン ハピネス ロード)』がここでもノミネートされているのが注目される。

 オタワ国際アニメーション映画祭は1976年にスタート。北米で最も大きく、歴史があるアニメーション映画祭として知られている。映画祭での受賞は高くリスペクトされる。またこれまでに長編部門で『夜は短し歩けよ乙女』(湯浅政明)、短編部門で『カフカ 田舎医者』(山村浩二)、『帽子をかぶった小さな人々』(二瓶紗吏奈)、実験映画部門で『水準原点』(折笠良)がグランプリを受賞している。日本の映画ファンにもお馴染みだ。
 今年の映画祭の日程は9月26日から30日まで。映画祭の最終日に各賞の作品と受賞者が発表される。

オタワ国際アニメーション映画祭(Ottawa International Animation Festival)
https://www.animationfestival.ca/

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