VTuber関連事業の いちから株式会社は、2020年4月14日に約19億円の資金調達を実施したと明らかにした。資金調達は第三者割当増資によるもので、新規投資家がこれを引き受ける。
資金の引受け先は、中国系投資ファンドのLegend Capital、ソニー・ミュージックエンタテインメント、テック系ベンチャーファンドのけいはんな学研都市ATRベンチャーNVCC、伊藤忠商事などである。Legend Capitalは中国レノボ系の投資ファンドでグローバルで数千億規模のベンチャー投資を続ける。日本ではC Channel株式会社が代表的な投資先だ。
いちから は、これまでに約10億円超の資金調達をしており、創業以来の調達額は30億円超になる。これまではKLabやSBIインベストメントなどが出資している。
今回の資金調達はシリーズBとなる。ベンチャー企業の資金調達は、大型調達の回数に応じて初回のシリーズAから、B、C、D……と続いていく。今回は2回目であることが分かる。投資家にとっては企業成長の比較的初期段階だ。VTuberビジネスの成長性に目をつけたかたちである。
いちからは2017年5月に設立。VTuberと呼ばれるCGで創出したネット動画上のキャラクターグループ「にじさんじ」の運営を事業の中心としている。2020年4月現在で約100名が所属し、YouTubeでの累計チャンネル登録者数は1000万人、動画の累計再生回数は10億回を超える。この分野をリードする。
今回の調達資金は、タレント、デザイナー、エンジニアといった人材投資が大きな目的となる。さらに関連する新規事業開発も進める。
VR関連では、VTuberを中心としたバーチャルタレント事業のActiv8も4月1日にシリーズCの資金調達を明らかにしている。こちらは小学館、Too、ホリプロなどが約10億円の資金を引き受けた。調達資金の活用や出資先企業との協業を活かして、VTuberビジネスは2020年も活発に動きそうだ。