ヨーロッパと中東・アフリカ地域の日本アニメビジネスを展開するVIZメディア・ヨーロッパが、社名やサービスブランドを刷新する。親会社「クランチロール(Crunchyroll)」に合わせて、「Crunchyroll EMEA」に変更する。2020年4月2日、VIZメディア・ヨーロッパが発表した。
またクランチロール(Crunchyroll)EMEAのトップには、かつてVIZメディアにも在籍したことがあるジョン・イーサム氏が就任する。ブランド名の変更は、19年12月にクランチロールがVIZメディア・ヨーロッパグループを買収したのに伴う動きだ。
VIZメディア・ヨーロッパグループは、2007年に小学館、集英社、小学館集英社プロダクションの出資でパリを拠点に設立された。グループの米国現地法人VIZメディアのヨーロッパ版の位置づけにあった。その後、M&Aなどを通じてヨーロッパでマンガだけでなく、アニメ・キャラクターなどの幅広い事業に進出してきた。
しかし2019年9月に、ワーナー・メディア系で米国の日本アニメ企業クランチロールが株式取得を発表、グループ会社化を実施した。小学館・集英社グループは、依然少数株主としてとどまるが、経営の主導権はクランチロールに移った。クランチロールは北米中心だったビジネスをヨーロッパや中東などに広げることが可能になる。展開領域の広いグローバル企業を目指す。会社のブランドを「クランチロール」に一本化することで、事業の一体感をアピールする。
一方、小学館、集英社グループは、新たにマンガ出版を中心としたVME PLB SASをパリに設立した。ここを拠点にヨーロッパにおけるマンガビジネスを引き続き手がける。VIZメディア・ヨーロッパを譲渡することで、アニメ・キャラクター事業を縮小し、マンガとライセンス事業に特化する方針が見てとれる。