ソニーグループ売上高・利益過去最高も ミュージック事業の映像&ゲームは減収に

ファイナンス決算

■ソニーグループ売上高、過去最高

 2023年4月28日、ソニーグループが2023年3月期の決算を発表した。2022年度の連結売上高は11兆5398億円、連結営業利益は1兆2082億円といずれも過去最高を更新した。売上高が16.3%増と大きく伸び、営業利益は0.5%増と小幅だった。税引前利益は1兆1803億円(6.2%増)、当期純利益は9371億円(6.2%増)である。 
 このうちゲーム&ネットワーク部門の売上は3兆6445億円(33%増)、音楽部門は1兆3806億円(23%増)、映画部門は1兆3694億円(11%増)といずれも前年より増加。総計で6兆3946億円とグループ全体の半分を超え、エンタテイメント事業が過去最高の業績を牽引した。しかし営業利益では音楽部門が前年比でプラスであったものの、ゲーム部門と映画部門で前年を下回った。

■音楽部門と映像メディア・プラットフォーム、アニメが減収

 ソニーグループにはソニー・ピクチャーズを中心とした映画部門があるが、日本アニメの製作・制作・販売などの事業は音楽部門に分類されている。ソニーミュージックの子会社アニプレックスを中心とした「映像メディア・プラットフォーム」事業である。
 音楽部門全体は、23年3月期で売上高1兆3806億円(23%増)、営業利益は2631億円(25%増)と増収増益であった。ストリーミングからの売上げが伸長しているためだ。
 しかし映像メディア・プラットフォームは減収減益だった。通期売上高は2030億1200万円、前年比で12%の減少だ。それでも音楽部門利益全体のうち映像メディア・プラットフォームの貢献分は1割台半ばを占める。
 また今期の決算補足資料では、新たに映像メディア・プラットフォーム事業における「ゲーム」と「その他」の各売上げが開示されている。メディア・プラットフォームのほとんどはアプリゲームからの収入、その他のほとんどがアニメ製作・制作とその関連事業と見ていい。
 ゲーム事業の売上は1085億5800万円で前年比2%減、その他は944億5400万円の21%減。アニメ関連の落ち込みが大きかったとみられる。

■映画部門、クランチロールの成長に期待

 日本アニメ関連の売上のうち、海外配信や海外映画配給、海外イベント・ライセンス事業は映画部門に計上されている。ソニー・ピクチャーズとアニプレックスの出資子会社クランチロールからの収入だ。
 映画部門全体の売上は1兆3694億円(11%増)、営業利益は1192億5500万円(45%減)である。クランチロールの売上高は明らかにされていないが、23年3月期より本格的に業績に貢献している。映画部門の売上げ増加の要因として、テレビ制作会社インダストリアルメディアとバッドウルフの買収と合わせて、クランチロールの配信事業の増収が言及されている。同社の有料会員数は23年3月末で1070万人と世界で1千万人の大台を超えた。
 またクランチロールの売上げが映画部門メディアネットワーク売上げに占める割合は、大きく伸びている。24年3月期の大幅増収見通しの理由では、劇場公開本数の増加、インド事業と共にクランチロールの成長を挙げた。特にポテンシャルのある新興市場展開、アニメ映画の海外配給、グッズ販売などのビジネスを強化するとしている。

 2024年3月期については、ソニーグループは連結売上高は11兆5000億円と前期並みとし、営業利益も1兆1700億円とこちらもほぼ変わらず。保守的な業績を見通す。
 一方でエンタメ3事業(ゲーム&ネットワーク、音楽、映画)の全てが増収増益を見込んでいる。引き続き成長セクターとして積極的に展開していくとみられる。

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