ポリゴン・ピクチュアズ、「Lost in Oz」がエミー賞5部門ノミネート 海外作品も引続き高い評価

『Lost in Oz: Extended Adventure』

 『シドニアの騎士』、『亜人』、『BLAME!』、アニメーション映画『GODZILLA』など、近年は国内作品での話題が多いポリゴン・ピクチュアズだが、海外事業が依然好調だ。2016年には、Amazonプライム・ビデオ向けの『Lost in Oz: Extended Adventure』の制作を担当し、これが高い評価を受けた。
 3月22日に米国で発表された第44回デイタイム・エミー賞において、本作は5部門でのノミネートを獲得した。ノミネート部門は主要な賞のひとつになる子供向けアニメーション番組部門(Outstanding Children’s Animated Program)をはじめ、アニメーションシリーズ・特別番組キャスティング部(Outstanding Casting for an Animated Series or Special)、アニメーション番組脚本部(Outstanding Writing in an Animated Program)、アニメーション番組音響部門(Outstanding Sound Mixing–Animation)、アニメーション番組音響編集部門(Outstanding Sound Editing–Animation)である。

 デイタイム・エミー賞は、昼間に放送されるテレビ番組を対象にするアワードだが、配信オリジナル作品の広がりもあり、現在は、Amazonプライム・ビデオやNetflixのオリジナル番組も対象にしている。子ども向けアニメーション・番組はここに含まれる。
 『Lost in Oz: Extended Adventure』は、Amazonプライム・ビデオとBureau of Magicが製作する『Lost in Oz』のスペシャル版としてポリゴン・ピクチュアズがアニメーション制作を担当した。
 ポリゴン・ピクチュアズは、過去に多くの有名スタジオのアニメーション制作を数多く手掛けている。その中からこれまでに、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』、『トランスフォーマー プライム』で受賞している。

 ポリゴン・ピクチュアズは、国内最大級のCGアニメーションのスタジオとして知られている。海外の有力企業とのビジネスを通じて、その制作能力が高く知られるようになった。
 現在は、その制作を自社製作の作品に向け、さらにこれまで培った海外ネットワークを活用し、グローバルにビジネスを広げる。一方で、海外からの受託制作も行うことでリスクの分散も図られているようだ。同時に、それは引き続きポリゴン・ピクチュアズの制作のクオリティの高さを証明している。

 第44回デイタイム・エミー賞の授賞式は、2017年4月28日、30日の2日間開催される。『Lost in Oz: Extended Adventure』はノミネートの数も多いだけに、これまでに続く成果が期待される。

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