東映アニメ22年3月期売上が過去最高570億円、今期700億円を予想

ファイナンス決算

 東映アニメーションの22年3月期通期連結決算が、売上高と利益の双方で過去最高を記録した。2022年5月12日に発表された通期決算は売上高が570億2000万円と前年比で10.5%増になった。同社にとって過去最高の売上高となる。
 また営業利益は181億700万円(16.8%増)、経常利益は188億2200万円(17.3%増)、当期純利益は128億2000万円(15.8%増)となった。こちらも過去最高の水準で、近年の好調な勢いを持続した。

 好調の理由は、まず国内外の映像配信権である。国内映像配信権販売が好調で大幅増収だった。海外向けはアジア向けが稼働。中国向けが好調で、東南アジア向けでも新規契約が伸びている。円安による為替レートの変動も利益を引き上げた。
 海外向けではゲーム化権・商品化権販売も好調で、売上高は210億3700万円。利益率の高さから全体の利益を引き上げた。「ドラゴンボール」シリーズと『ワンピース』のゲーム化権販売、北米で「ドラゴンボール」シリーズと「デジモンアドベンチャー」シリーズ、中国で『ワンピース』の商品化権販売が主力となった。
 海外市場が引き続き拡大していることから、海外売上比率に過去最高の62%に達した。地域別売上はアジアが174億4800万円と最大で、伸び率も25.9%増と大きかった。北米は120億800万円(13%増)、ヨーロッパは51億1200万円(2.2%増)、中南米が11億500万円(19.1%増)、全地域で伸びている。

 アニメ製作・制作・映像販売などを含む映像製作・販売事業の売上高は207億6900万円(5.1%増)、営業利益57億53百万円(19.9%増)の増収増益。公開本数の減った劇場映画は前年比でマイナスだったが、テレビアニメが大幅増加、映像配信権の販売が拡大した。
 版権事業は売上高329億9500万円(13.8%増)、営業利益159億5700万円(11.9%増)と増収増益、こちらも増収増益だ。しかし商品販売事業は売上高は22億3100万円(9.5%減)、営業損失が1億8900万円と厳しかった。

 今期(23年3月期)は、連結売上高を700億円と予想している。前期比22.8%増で22年3月期に続き、過去最高の大幅更新を見通す。『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』や『ONE PIECE FILM RED』、『SLAM DUNK スラムダンク(タイトル未定)』など複数の劇場映画の大型タイトルが予定されており、版権事業をなどとの相乗効果が見込まれるためだ。
 一方で製作原価が増加し、広告宣伝費も増加することから、営業利益は183億円、経常利益は189億円、当期純利益は135億円と前期並みを予想している。

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