クランチロールがVIZ Mediaと提携 ビデオソフトと配信事業で

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 日本アニメのグローバル配信を手がけるクランチロールが、北米の日本マンガ・アニメ大手のVIZ Mediaと業務提携を結んだ。北米地域でのビデオソフト(DVD/ブルーレイ)事業とデジタル配信で手を組む。
 VIZ Mediaはクランチロールが北米ライセンスを持つ日本アニメからビデオソフト発売をするほか、自社ネットワークでの配信もする。対象となるのは現在クランチロールが保有する作品、そして今後権利獲得する作品を含む。

 クランチロールは登録会員が5000万人を越える世界最大の日本アニメの配信プラットフォームだ。日本の権利者からライセンスを得て、ビジネスを展開する。近年は配信ライセンスだけでなくより幅広い商品化や上映権、ビデオグラム化権も合わせて獲得することが多い。
 しかしクランチロール自身は、DVDやブルーレイの発売事業は持たない。そこで2016年にこの分野の大手であるファニメーションと提携した。ところがクランチロールがワーナーメディア、ファニメーションがソニー・ピクチャーズと互いがライバル企業のグループに加わることで、2018年10月にこの提携は終了している。

 そこで今回、やはり長年日本アニメのビデオソフトで実績を持つVIZ Mediaを組むことで、これを補完する。VIZ Mediaにとっては、クランチロールのタイトルの中から自社が得意とするキッズ向け、少年向けの大型作品のビデオソフト発売で売上げ増加を期待出来る。配信事業のラインアップの強化も出来る。
 もともとVIZ Mediaはワーナー ホームビデオと長年ビジネスのパートナーシップを続けてきた。クランチロールがワーナーメディア・グループの完全傘下に入ったことで、こうしたつながりをクランチロールに拡大する面もある。
 一方強力なライバルであるファニメーションは、2018年12月にクランチロールに代わり動画配信大手Huluとの提携を発表している。クランチロールとファニメーションの両社がパートナーシップの拡大を競っているかたちだ。

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