大手アニメ製作会社のアニプレックスが、映像エンタテイメントの総合ビジネスに向けてまた一歩足を踏み出した。2020年4月1日、ソニーミュージックエンタテインメントとアニプレックスは、アニプレックスが全額出資する子会社として株式会社Boundary(バウンダリー)を設立を発表した。同日業務を開始した。
Boundaryは、3DCGアニメーションに特化した映像制作会社。本社はグループ本社のある東京都千代田区六番町に置かれるが、制作現場となるスタジオは地下鉄の中野坂上駅から至近の東京都中野区本町とする。東京都中野区は、杉並区、練馬区、三鷹市などと並び国内アニメスタジオの集積地として知られている。日本のアニメの中心地からクリエティブを発信する。
代表取締役社長には、同じくグループ会社のCloverWorksの代表取締役執行役員社長である清水暁氏が就任した。また取締役にはアニプレックス代表取締役の岩上敦宏氏、A-1 Pictures代表取締役執行役員社長の柏田真一郎氏、石橋正氏、石川恵子氏、福島祐一氏が就く。経営陣からも、新会社がアニプレックスのグループ力を活かした体制を目指すことが分かる。
アニプレックスはすでに、2D手描きのアニメスタジオであるA-1 Pictures、CloverWorksの2社をグループ会社としている。Boundaryは同社にとっては3社目のアニメスタジオになる。さらにゲーム製作会社Quatro A、映像プロデユース企画会社社リアルト・エンタテインメントといったグループ会社があり、映像系エンタテンメントの企画・制作をフルラインに揃えることでグループの総合力アップにつながりそうだ。Boundaryがアニメ作品のCGパートだけでなく、CG主導の独自の作品を目指すのかが、今後は関心を集めそうだ。
アニメ製作会社のCG子会社新設は、ここ数年アニメ業界のトレンドのひとつになっている。2018年にはエイベックス・ピクチャーズがグラフィニカと共同出資でFLAGSHIP LINEを立ち上げた。KADOKAWAは、サミー、ウルトラスーパーピクチャーズとCG制作会社ENGIを設立している。いずれも有力CG会社と手を組むことでCGアニメ制作に進出する。
逆にBoundaryではアニプレックスの一社出資であることがポイントだ。過去10年間で急速に進んだテレビ・劇場アニメのCG進出がさらに進むのかが、注目される。
株式会社 Boundary
設立日:2020年4月1日
所在地: 本店 東京都千代田区六番町4番地5
スタジオ 東京都中野区本町2-29-12 NFビル5F
代表取締役社長: 清水暁