壽屋の第2Q大幅増益、通期上方修正も懸念は円安・物価高

ファイナンス決算

 プラモ・フィギュアの壽屋の業績が、引き続き好調だ。2023年2月14日に発表された23年6月期第2四半期(22年7月~12月)の業績は、売上げ、利益とも大幅な伸びとなった。
 売上高は98億2400万円と前年比36.5%増と半期で100億円に近づいた。営業利益は16億9500万円(27.1%増)、経常利益は16億2300万円(24.0%増)、当期純利益は11億2100万円(22.8%増)である。
 売上げの伸びは主にフィギュア製品の好調が続いているためだ。『原神』、『にじさんじ』、『ウマ娘 プリティーダービー』など。他社人気コンテンツ関連が伸びた。プラモデルでは自社タイトルの『メガミデバイス』、『フレームアームズ・ガール』、『アルカナディア』などが好調。近年の自社タイトル育成が業績として結果をだしている。

 第2四半期までの業績を背景に、壽屋は通期業績予想を上方修正した。売上高は160億円から175億円に、営業利益は18億円から24億円に、経常利益は17億6000万円から23億1000万円に、当期純利益は12億2200万円から16億300万円にそれぞれ引き上げた。
 自社タイトルのプラモデルでのB to B取引が予想を上回って推移しているためだ。またコンシュマー向けでもEC取引の伸びも貢献した。

 しかし不安要素もあり。ひとつは円安やインフレなどの影響で原材料費が上昇していることだ。仕入コストの上昇が営業利益率の低下を招いている。製作原価の値上がりを商品の値上げにつなげなければ、利益が落ちることになる。売上げの伸びに対して、利益の伸びが下回っている理由だ。
 もうひとつは海外市場である。これまでの壽屋の業績を牽引してきたが、中国市場でのフィギュアの売上が当初予想より伸び悩んでいる。北米市場でもインフレが続くなか、消費マインドが低下から下半期の受注が伸び悩んでいるとする。 
 期初には通期の海外売上高比率を34.1%と見込んでいたが、今回はそれを28.6%に引き下げた。前期の39.5%より大幅に低下することになる。

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