東映アニメ第3Qは減収減益、急成長は踊り場に

ファイナンス決算

 アニメ製作大手の東映アニメーションは、1月30日に2020年3月期第3四半期(19年4月~12月)の決算発表をした。2010年代後半に急成長を続けてきた同社だが、第3四半期決算としては5期ぶりに前年同期比で減収減益となった。
 第3四半期までの連結売上高は413億9300万円(1.0%減)、営業利益は122億3500万円(3.3%減)、経常利益は127億4000万円(2.3%減)、当期純利益は88億9000万円(4.2%減)。減少幅は小幅で、利益面では引き続き高水準を維持する。売上より利益の下げ幅が大きいのは、販管費が拡大しているためである。

 アニメーション制作と番組販売が中心の映像製作・販売事業は、売上高が156億6000万円(7.2%増)と伸びたが、営業利益は5.8%減の38億4900万円。増収減益である。
 劇場アニメで『ONE PIECE STAMPEDE』が大ヒット、海外向けでは『ドラゴンボール超ブロリー』の劇場上映権販売、国内配信権販売、ゲーム向け音声やイベント映像の制作などが売上げ牽引した。しかしBlu-ray、DVDが大幅な減収だった。
 期間中の主要作品は劇場映画が『プリキュアミラクルユニバース』、『東映まんがまつり』、『ONE PIECE STAMPEDE』、『スター☆トゥインクルプリキュア』。テレビシリーズは『ワンピース』、『スター☆トゥインクルプリキュア』、『ゲゲゲの鬼太郎』、『おしりたんてい』の4作品になる。

 版権事業は全体売上高の半分以上、営業利益の2/3を稼ぎ出す。こちらは小幅な減収減益となった。売上高は217億4300万円(3.9%減)、営業利益は104億9100万円(1.2%減)だった。
 国内版権の中心は、アプリゲーム『ドラゴンボールレジェンズ』と『ONE PIECE STAMPEDE』のタイアップやプロモーション向け許諾である。ただし好調を続けてきたアプリゲーム『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』が落ち着きはじめている。海外版権は引き続き「ドラゴンボール」シリーズの商品化が中心となった。

 商品販売事業の売上高は34億3800万円(14.4%減)、営業利益は6300万円(46.0%減)。「プリキュアプリティストア」の勢いが落ちたことが響いた。
 その他事業の売上高は6億6800万円(0.9%減)、営業損失1400万円である。催事イベントやキャラクターショーを手がけた。

 国内外比率では、海外売上高が52%と引き続き全体の半分を占めている。地域別では中南米の拡大が目立った。期間中にサウジアラビア向けのテレビシリーズを制作しており、中国向けの映像配信権の大口に販売本数も増加するなど、広い地域にビジネスを展開している。

 通期連結決算は売上高5500億円と、前年に続き500億円の大台を突破する見込み。また営業利益は150億円、経常利益は153億円、当期純利益107億円を見通している。

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