東映アニメ第1Q売上利益過去最高を更新 スラムダンク、ゲ謎の配信好調

ファイナンス決算

 2024年3月期決算で過去最高の売上を記録した東映アニメーションが、2025年3月期も快調なスタートを切った。2024年7月31日に発表した第1四半期(24年4月~6月)決算で、連結売上高が230億5900万円と前年比同期比で16%増と高い伸びとなった。四半期で売上高は200億円を超える過去最高水準だ。
 また利益面での伸びも大きかった。営業利益は66億8400万円(219%増)、経常利益は71億8700万円(82.5%増)、当期純利益が53億600万円(70.0%)増である。前年あった劇場映画の評価損計上の反動も影響した。
 
 売上高は国内外とも配信権販売、版権事業が好調に稼働。第1四半期に『THE FIRST SLAM DUNK』と『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の国内配信が始まり、この配信権販売が好調だったことが大きい。また海外向けでは『ONE PIECE』の配信権販売、版権事業は「ドラゴンボール」シリーズの国内ゲーム化権などで伸びた。さらに円安が進んでいることから為替面でも業績を押し上げた。
 この結果、期初業績予想に対する進捗率も順調だ。売上高で28%、営業利益で33%、経常利益と当期純利益では35%に達している。通期でも予想を上回る業績が期待されるが、今回は業績予想の修正はしなかった。事業環境は好調だが、世界経済や為替相場などの外部環境が不透明なためと東映アニメーションは説明している。 

 事業別では、映像製作・販売事業が売上高が91億4500万円(25.6%増)、営業利益が23億6700万円(前年同期は損失)である。
 「劇場アニメ」は大型作品のないシーズンであったため前年同期より大きく落ち込んだが、『THE FIRST SLAM DUNK』のブルーレイとDVDを発売した「コンテンツ」が大幅増、『THE FIRST SLAM DUNK』と『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の国内配信権販売があった「そのほか」も伸びた。『ONE PIECE』の海外配信権販売などにより「海外映像」も伸びた。
 版権事業は売上高111億8400万円(14.2%増)、営業利益は55億7900万円(13.9%増)の増収増益だ。「国内版権」は「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が好調、「海外版権」は『ONE PIECE』「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモン」シリーズの商品化権販売が好調であった。

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