国内アニメ事業の大手東映アニメーションの業績が、今期も好調に推移している。2019年10月23日、同社は2020年3月期の第2四半期、通期の業績予想を上方修正した。
9月30日に終わった第1四半期から第2四半期までの連結業績売上げは、5月14日に発表していた242億円の見通しを19.8%上回る290億円に達するとしている。上半期では過去最高だった前期255億7900万円をさらに更新することになる。
利益面でも過去最高を大幅に更新する。営業利益は63億円から86億円へ、経常利益は65億円から89億円へ、当期純利益は45億円から62億円に引き上げられた。前年はそれぞれ79億1800万円、82億1500万円、58億900万円だった。
好調の理由はこれまでと同様で、アプリゲームが貢献している。国内外でのアプリゲーム化権販売が牽引した。
作品ごとでは「ドラゴンボール」シリーズが海外で好調、国内では大型劇場映画『ONE PIECE STAMPEで伸びた。
ヒット作品の有無に業績の伸長を依存しがちな業種であることから、東映アニンメーションは従来から業績見通しは慎重な傾向が強い。実際に下期のアプリゲーム化権販売は前年同期並みとし、さらに前年あった『ドラゴンボール超 ブロリー』関連の売上げや遊技機の大口契約に相当するものがないと、前年同期比で減収減益している。
それでも上半期の伸びが大きく、通期業績予想も二桁の上方修正をしている。通期連結売上高は462億円から550億円、営業利益は120億円から150億円、経常利益は123億円から153億円、当期純利益は85億円から107億円にそれぞれ変更している。
下期に入っても上向きの業績が続けば、もう一段うえの上振れも期待できるかもしれない。キャラクター商品が活発に動く年末年始シーズンや、ライセンス収入の受け取りが増加する期末の動向が注目される。