バンダイナムコ第2Q増収減益 ドラゴンボール好調、映像音楽パッケージは大幅減

ファイナンス決算

 2017年11月7日に発表されたバンダイナムコホールディングスの2018年第2四半期決算の連結売上高は近年の好調を維持した。連結売上高は3088億4600万円と前年同期比4.8%増となっただけでなく、期初予想の2950億円を上回った。スマホアプリゲームのコンテンツや、海外向けの家庭用ゲームソフトが好調だったためだ。
 営業利益は349億4100万円(10.2%減)、経常利益は356億9000万円(6.8%減)、当期純利益は281億9600万円(6.5%減)とマイナスになった。こちらも期初予想を大きく超えた。おおむね堅調な上半期の半年間であった。

 好調な理由は、ワールドワイドで大ヒットとなったスマホアプリゲーム「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」のヒットが大きい。
 作品IP別で見た売上げで「ドラゴンボール」は431億円、前年同期の196億円の倍以上の伸びを見せた。362億円から327億円に減少した「ガンダム」、170億円から144億に減少した「ワンピース」をカバーしたかたちだ。

 「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」は、ネットワークエンターテイメント事業にとりわけ大きな影響を与えている。スマホアプリゲームでは、このほか「ワンピース トレジャークルーズ」や「アイドルマスター」シリーズもあった。
 また、ヨーロッパで「TEKKEN(鉄拳)7」がよく売れた。売上高は1903億3600万円(13.8%増)、営業利益は257億8800万円(7.0%増)。

 アニメ関連事業の割合が大きい映像音楽プロデュース事業は鈍かった。売上高は233億9200万円(15.0%減)、営業利益は55億1700万円(31.5%減)である。「機動戦士ガンダム」シリーズや「ガールズ&パンツァー」シリーズ、またライセンス収入が大きかった「ラブライブ!」シリーズが主力IPとなった。
 しかし、DVD、Blu-ray、CDなどのパッケージ販売の落ち込みが大きかった。上半期売上高は67億円と前年同期比で38%減である。一方でアニメーション制作、ライセンス、配信、イベントなどは166億円と全年並みにとどまった。映像音楽プロデュース事業における、全体のパッケージ依存が弱まっている。

 トイホビー事業も弱含みだった。売上高は981億3500万円(5.5%減)、営業利益は55億5700万円(36.7%減)。「ガンダム」シリーズが減少した一方で、「仮面ライダー」シリーズが伸長した。また「妖怪ウォッチ」は落ち込みが大きかった。   
 そのほか事業は売上高128億9400万円(1.2%減)、営業利益は2億1800万円(62.6%減)である。
 通期では売上高は好調だった前年並みの6200億円を目指す。また利益は微減を見込む。営業利益は570億円、経常利益は580億円、当期純利益は400億円を見通す。

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