国内大手出版社の講談社が、ポップカルチャーをテーマにしたライブエンタテイメント事業に本格的に乗り出す。2020年春に東京・池袋東口の商業エリアで、ライブエンタテイメントをテーマにした施設をオープンする。
このビルは地下2階地上9階のビルで、講談社は1階から3 階除く約2810㎡で事業展開する。場所は池袋駅東口から徒歩数分で、サンシャイン60通りの中ほどに位置する。長年シネマサンシャイン池袋として親しまれていた建物で、映画館設備も備えている。講談社はこうした地の利と施設を活用する。
企画・運営にあたって講談社は、複数のパートナー企業と協力する。ビル内にはシアターとライブスペースが併せて4つが設けられる。旧サンシャインシネマのシアター施設を利用したものとみていいだろう。このほか物販エリアやコラボカフェも予定する。
取り上げられるコンテンツは、マンガや小説、アニメ、ゲームなどと講談社らしい。さらにこれにとどまらずアーティストや役者、声優、ユーチューバーなども登場する。日本のポップカルチャーが中心となりそうだ。施設の名称は未定、パートナー企業、演目は、今後順次発表する。
こうしたテーマと池袋という場所の選定は、現在のカルチャートレンドを取りこんだものといえる。池袋東口エリアはキャラクタグッズの大型店アニメイトを筆頭に、アニメ、マンガ、ゲームなどポップカルチャーの関連ショップ・施設が集中している。ファンを惹きつける力は、いまや秋葉原を上回る勢いとも言われる。
さらにここ数年で文化集積が進んでいる。2012年のアニメイト池袋本店の新ビルディング、今年夏にはサンシャインシネマが閉じる理由ともなったシネマサンシャイングランドシネマが近隣に立上った。TOHOシネマズ、ドワンゴ「ハレスタ」、ポニーキャニオン「harevutai」を収容するHareza池袋も11月にオープンする。ライブ体験型施設も一挙に増える。各施設は競争というよりも、集積することで集客効果を発揮するとみられる。
現在出版業界は、紙出版の販売減少とデジタルコンテンツの急拡大、ライセンスビジネスの成長、海外進出と、激動の時代を迎えている。業界大手の講談社でも安閑とはしていられない。
ポップカルチャーのなかでもライブエンタテイメントは成長分野とされている。それでも大手出版社のライブ事業への進出はサプライズだ。今回のプロジェクトの動向は出版業界でだけでなく、幅広く関心を集めそうだ。
[施設概要]
名称:未定 http://mixalive.jp
2020年春開業予定
東京都豊島区東池袋1-14-3
施設規模:地下2階地上9階(1~3 階除く)