電子書籍流通のメディアドゥホールディングス(メディアドゥHD)の業績が急伸している。10月15日に発表された2020年2月期第2四半期決算は、前年同期比で大きく成長した。
連結売上高は318億8100万円(37.3%増)、営業利益は9億2800万円(73.0%増)、経常利益は8億5100万円(59.5%増)、そして当期純利益が4億8400万円で黒字に浮上した。通期連結業績予想の売上高600億円、営業利益・経常利益15億円、当期純利益7億5000万円は十分視野に入る。上期の勢いが続けば、これらを上回ってくることもありそうだ。
好調の理由は主力の電子書籍流通事業である。前年同期の売上げ230億円が312億円となった。メディアドゥHDは予想以上に電子書籍市場が拡大しているとしている。2018年春に海賊版を集めた大手違法サイトが閉鎖されたことで、出版各社のデジタル販売の好調が伝えられるが、これもも追い風になっていそうだ。
今後は市場の成長に加えて、デジタル出版のアグリゲーション(取次)を手がけるふたつの子会社メディアドゥと2017年3月に子会社化した出版デジタル機構の統合のスピードと効果が鍵になりそうだ。メディアドゥHDでは2020年6月までに組織統合をするとしている。