2021年7月30日に日本テレビホールディングスの22年3月期第1四半期業績が発表された。このうち日本テレビ放送網のアニメ事業は21年4月~6月までの3ヵ月で8億4500万円だった。また費用を4億4200万円、収支を4億300万円としている。
日本テレビホールディングスは今期より決算資料の事業区分を再編しており、アニメ事業を単体にて公表するのは初となる。このため前年同期との比較はないが、四半期8億円の売上げからは通期で数十億円規模の事業であることが予想される。また売上げのおよそ半分の収支からはアニメ事業の利益率の高さも分かる。
アニメ事業のトピックとして、21年7月に放送開始するライトノベル原作の『月が導く異世界道中』が日本テレビ史上最高金額で海外セールスされたことを挙げている。現在は未発表ながら今後も自社のアニメ作品があるともしている。
劇場アニメ『竜とそばかすの姫』が映画事業に分類されるなど、アニメ事業が日本テレビのアニメ関連ビジネスをどこまでカバーしているかは明らかでない。しかしアニメ以外のコンテンツ事業の売上げも公表されており、日本テレビの放送外事業の概要を知ることが出来る。
映画事業の売上げは8億6500万円(9.4%減)、収支は4億200万円。第2四半期以降に大ヒットになっている『竜とそばかすの姫』もあるので、今後業績は拡大しそうだ。9月10日は共同幹事を務める『鹿の王』の劇場公開も控えている。
IPビジネスは売上高3億9500万円(9%減)、収支は4400万円。海外ビジネスは売上げ4億8000万円(4.3%減)、収支4億600万円だ。またイベント事業では21年10月の国立新美術館の東京展をスタートに、大型企画展「庵野秀明展」がスタートする。
日本テレビホールディングスではこのほかアニメ製作タツノコプロ、アンパンマンミュージアムを運営するACMなどのアニメ関連子会社を持つが、これらもアニメ事業の売上げは含まれていない。
タツノコプロの四半期売上高は3億5400万円(8%増)、営業利益は1000万円だった。またACMは新型コロナ感染症拡大のなかで赤字転落営業赤字が2億7600万円、売上高は4億9900万円で6.0%の減少だ。
日本テレビホールディングス全体では業績は好調だった。連結売上高は978億2900万円(21.5%増)、営業利益は134億800万円(148.5%増)、経常利益は159億9700万円(127.8%増)、当期純利益は99億1400万円(540.8%増)である。
スポット広告収入や生活・健康事業の好調、番組・イベント制作費用の減少、有料会員数を伸ばしている配信サービスHuluの好調に支えられた。