ブシロード株式上場 初日終値16%高2138円、年間売上高313億円を予想

ファイナンス決算

 トレーディングカードゲーム(TCG)やキャラクター事業のブシロードが、2019年7月29日に東京証券取引所マザーズ市場に上場した。公開初値は2204円、初日終値は2138円となった。終値は公募価格の1890円を13%上回り、堅調なスタートなった。この結果、ブシロードの時価総額は335億7900万円となった。
 アニメやゲーム・キャラクター関連企業の株式上場は、近年ほとんどない。過去5年では2014年3月のディー・エル・イー、2018年9月の寿屋が目につく程度だ。それだけに今回はブシロードの直近の決算の年間売上げがこの2社を大きく越える288億円の規模ということもあり、大きな注目を集めた。安定した上場初日は、ブシロードのビジネスモデルや成長性が評価され、株価に反映されたと言ってよいだろう。

 ブシロードは上場に合わせて2019年7月期の第3四半期決算、そして通期の連結決算予想を発表した。通期連結決算は前年比8.5%増の313億5400万円と初めて300億円の大台を突破するとした。しかし、営業利益は27億2100万円(7.1%減)、経常利益は27億3900万円(8.6%減)と利益は減少する。さらなる成長に向けた積極投資を反映したかたちだ。当期純利益は17億1300万円(4.6%増)である。

 全体の約1/3にあたる33%がTCG事業で、創業時の中核事業が現在も経営の基盤を支えている。主力タイトルは『カードファイト!! ヴァンガード』と『ヴァイスシュヴァルツ』。通期で100億円程度となりそうだが、国内1000億円とされるTCG市場で存知感を発揮する。
 またスマホアプリゲームの割合も大きく、モバイルオンラインゲーム(MOG)部門が全体の24%となる。こちらは『BanG Dream!』、『ラブライブ︕』が主力タイトルになる。
 さらにCD/Blu-rayの売上げと音楽ライブを中心とする音楽部門、メディア部門、マーチャンダイジング部門とブシロードは様々な事業から成る。複数の分野でバランスよく構成するポートフォリオ型の事業運営が特長となっている。

 これ以外に新日本プロレスを中核とするスポーツ事業も抱える。スポーツ事業の売上げは年間で53億9400万円を見込む。全体売上げでは16%に過ぎないが、2017年3月期は38億3900万円、2018年3月期は48億9000万円と高い伸びを維持しているのが特長となる。今後の成長分野として期待される。

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