ブシロード通期決算は減収減益 主力はモバイルゲームからTCGに

ファイナンス決算

 ゲームやライブ事業を手がけるブシロードは、2024年8月13日に2024年6月期の通期連結決算を発表した。
 しかし第4四半期の復調傾向はあったもののデジタルコンテンツユニットのモバイルゲームの事業縮小もあり、減収減益と厳しい結果になった。連結売上高は462億6200万円と5.2%減となったほか、営業利益は8億8200万円(73.9%減)、経常利益は18億9800万円(57.9%減)、当期銃利益は8億400万円(60.8%減)と大幅な減益だ。
 これを受けてブシロードは、計画数値の達成が困難と2022 年8月に公表した「中期経営4ヵ年計画」を取り下げた。市場環境の検証と自社事業構成の見直しをした後に、新たな中期経営計画を策定して2024年9月に公表するとしている。

 業績の不調はデジタルコンテンツユニットにおけるモバイルゲームの苦戦にある。市場競争が激化していることからブシロードは戦略的な事業縮小をしているが、これに伴い24年6月期のみで約25億円の損失を計上している。
 ゲーム関連ではモバイルゲームからコンソールゲームに主軸を移しているが、コンソールでは開発投資が先行して期中に収益化出来なかった。デジタルコンテンツユニットの売上高は58億8100万円で、前期比で約3割落ち込んだ。
 
 トレーディングカードゲーム(TCG)ユニットは売上高216億4400万円、前期比で5%程度の減収だが、堅調を維持している。またフィギュアやグッズなどのMDユニット(売上高58億2900万円)、イベントや興行のライブエンタテインメントユニット(売上高52億5300万円)は、いずれも過去最高の売上げを実現した。
 この結果、ブシロードの事業別売上構成は大きく変っている。2020年7月期には全体の1/3超(35.1%)を占めたデジタルコンテンツユニットは、24年6月期には12.7%まで縮んでいる。逆に22.7%であったTCGユニットが全体の46.8%を占めて、主軸事業が交代したかたちだ。
 今後はライブエンタテイメントやMD(商品)のさらなる成長も期待出来るため、ブシロードのビジネスモデルは大きく変わることになりそうだ。9月に発表される新しい中期経営計画も、こうした状況を反映させるものになるだろう。

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