2月末から4月中旬にかけて、アニメビジネスの関係の深いレポート白書が相次いで刊行される。2月末にすでに発売されているのが、KADOKAWA Game Linkagemによる「アニメマーケティング白書 2020」。そして4月に入り「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース」(ヒューマンメディア)、「アニメツーリズム白書2020」(一般社団法人アニメツーリズム協会)となる。
いずれのレポートも専門家のための書籍との側面が強く、価格もやや高額だ。逆に言えば市場調査や研究をするものにとっては、それだけ貴重な資料と言える。会社での活用、図書館での利用なども考えたい。
アニメビジネスに最も関連がありそうなのは、「アニメマーケティング白書 2020」だろう。調査の売りは、1万人への調査をもとにしたダイレクトな視聴者の行動を徹底的に分析していることだ。総ページ数はPDFで1302ページにも及ぶ。
そんな分析から、国内の5歳~69歳の人口のうちアニメを視聴するのは全体の37%約3515万に推測するなど貴重なデータがある。アニメが一般層に浸透してきたとされるが、まだまだ全体の1/3強に過ぎないというのは興味深い。リアルタイム視聴(47%)よりタイムシフト視聴(53%)のほうが多いのは、いまの時代らしい。
またタイトル別満足度調査では、2019年1位が『鬼滅の刃』であることも報告している。同作は男女問わず幅広い視聴を獲得し、初回放送から最終回放送で視聴者数が伸びた。
「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース」は、メディア・コンテツ各分野のレポートや市場統計を中心に掲載する。アニメだけで広い分野をカバーし、国別の動向や、行政の政策などにも切り込む。
こちらも全274ページとかなりのボリューム。CD-Rが付属しており、本文のほか図表もPDFデータで提供している。価格は税別89000円。
「アニメツーリズム白書2020」は4月10日発売。税込9680円。近年、活発化するアニメによる地方活性化、インバウンドなどにフォーカスしている。
企画・監修の一般社団法人アニメツーリズム協会は、「アニメ聖地88」の活動でもよく知られている。本書はこの選定作品と地方自治体の全リストを掲載する。アニメインバウンドの関係者に活用されぞうだ。また冒頭協会会長であるアニメ監督の富野由悠季氏のメッセージがあるのも目を惹く。
「アニメマーケティング白書 2020」
https://www.f-ism.net/ebi/mreport/
発行: KADOKAWA Game Linkage マーケティングセクション
発売日: 2020年2月27日
価格: 49000 円(税別)
「日本と世界のメディア×コンテンツ市場データベース」
http://www.humanmedia.co.jp/database/index.html
株式会社ヒューマンメディア
定価: 89000円(税別)
「アニメツーリズム白書2020」
https://www.kadokawa.co.jp/product/302002000499/
企画・監修: 一般社団法人アニメツーリズム協会
定価: 9680円(税込)
発売日: 2020年4月10日